それは許されない禁断の果実。
一度知ってしまったら忘れられない、美味な味。




「…ン、…ぁ、…ちゃ…」

うつ伏せになりながらシーツを強く掴む。ああ、頭が可笑しくなりそうだ。

「……なまえ、」

囁く声は驚く程低く、甘く。ぴくりと身体が反応してしまう。はあ、と口から漏れる息は気持ちが悪い程に熱い。重なる手はゴツゴツしていて大きい、のに。

「……っ…、!」

ふと過る過ってはいけない顔。今この状況で実の弟を想うなど、頭がイカれてるとしか思えない。きゅうとアーチャーのを締め付ける膣が疼く。どくん、どくん、と。

「なまえ?」
「あ、ちゃ、あ……して、」

そう言うと彼は私の体を反転させて言った通りに唇を塞いでくれた。だから今思ったことを忘れようと懸命にアーチャーに絡み付く。何も考えれないように、何も、知らないように。

「はぁ……ね、あーちゃあ、」
「なんだね」
「すき」

鍛え抜かれた筋肉を撫で上げ背に腕を回すと彼はそれに応えてくれる。それがいとおしくて何とも言えない気持ちになった。

「…ふっ、…あ、ぁ、ん…!」

ぐちゃりと卑猥な音が響く。死にたくなるほど恥ずかしいが、恥ずかしいのだが、嬉しい。アーチャーと繋がっているという事実がいとおしい。けれども、

「あ、ちゃあ、あ!」

離れてくれない弟の顔。
ただ懸命にアーチャーに縋れば縋るほどにそれは色濃くなっていく。

「ん、…すっ、き…すき、ぁちゃあ、!」
「…ん、なまえ、なまえ、っ!」


視界が白濁する。
映るアーチャーの顔がいとおしくて、いとおしくて。どうしようもない感情がわたしの中を支配していく。ああ、アーチャー、だいすき。

瞼を閉じる。
優しい指先は紛れもなく、



「…おやすみ、なまえ姉さん」


ああ喩えもしそうでも。
わたしは、



赦された果実




歌月様リクエスト
ありがとうございました!
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