暗くて、黒い泥の中。
あたしを喚んだモノが。


「■■、■■■■■■」
「■■■■■■■」
「…■■、■■……」
「――…■■■■■」

ごちゃごちゃごちゃ。

「……■ッ、■■■」

ごちゃごちゃごちゃ。
真っ黒。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■」



あア、どうシテ上手くイカないのカなあ。




「まだ少し早い。貴様は眠っておれ」




****





夢を見た。

「………」

頭が若干痛む。まだ寝ていたい証だ。欲望赴くままに寝返りを打った。
しかしまるでタイミングを謀ったように扉の開く音が聞こえる。視線だけそちらに向けると綺礼が立っていた。

「朝食だ。要らんか?」
「……起きる」

のそりとベッドから降りて綺礼の後に続く。さて、普通の朝食であることを願おうか。



簡易なものだったが、普通の朝食だった。辛くない、普通の朝食。並べられたそれをゆっくりと咀嚼しながら食べて、本来の二倍近くの時間を朝食に費やした。ゆっくり食べれるって良いね。

「海南」

いつの間にいたのか、ギルが居た。なんだと振り向けば「だらしがない」とギルに口元を拭われる。……恥ずかしながら食べ滓がついていたようだ。言ってくれりゃあ良いのに。

「今日はどうするのだ?」
「……ん、休む」
「ああ、そうしろ」

あたしの頭を二度撫でてギルは添い寝してやろうか?ときいてきた。のでうん、と頷いて手を握ると不機嫌になる。何故に。

「王である我が添い寝だと?」
「言ったのギルじゃん」
「英雄王ジョークに決まっておろう」
「つまらんわっ!」

ぎゃんぎゃん二人で言い合いをしていたら、結局はあたしの寝床に着いていた訳でして。ギルはなんかもう不機嫌ですオーラむんむんでベッド寝転がった。

「狭い」
「先に言ったのギルだかんね」

そのままあたしもベッドに寝転がる。シングルベッドに二人はまあ、狭い。主に三分の二はギルだ。

「おやすみー」

ギルは頬杖をつきながら横になってこちらを見ている。何となく視線が嫌だったのでギルに背中を見せながら眠ることに。


「ああ、眠るが良い。時が早まるだけだ」


クツリと笑う声を最後に、意識は途絶えた。










「渦を巻く。

罪が、この世の悪性が、流転し増幅し連鎖し変転し渦を巻く。暴食色欲強欲憂鬱憤怒怠惰虚飾傲慢嫉妬巡り巡り犯し侵し冒して渦を巻く。反乱罪牙保罪恐喝罪姦淫罪毀棄罪枢要罪脅迫罪窃盗罪逃亡罪放火罪侮辱罪不敬罪。余桃罪誘拐罪買収罪収賄罪堕胎罪自殺罪窃盗罪関与罪賭博罪暴行罪死体遺棄罪大罪。等活地獄黒縄地獄衆合地獄叫喚地獄大叫喚地獄焦熱地獄大焦熱地獄無間地獄。悪鬼羅刹畜生道餓鬼道煉獄針山死屍累々怨念怨恨飢餓災厄阿鼻叫喚。殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねおはようございます。





「――、―!……!?」



日はどっぷり暮れていて、ギルガメッシュは居なかった。
教会に人が、居ないような気もした。時刻は、丑三つ時より三十分前。

最終結論に向かって
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