扉をあける。
そこには、仁王立ちをして腕を組んだ長髪のお兄さんが立っていました。
「……わぁお」
髪の毛を上で結っていて、その格好はジーパンにワイシャツといった現代の格好だ。びっくりしたわ。
「海南様」
「……はい」
「私が今何を言いたいかお分かりいただけますか?」
「すみません、わかんないです」
「……」
はあ、とバーサーカがため息をついた。なんかコイツ生意気になってないかい?ん?
とりあえず中に入ると雁夜おじさんと桜ちゃんが居て安心。良かった、あのくそじじいから取り返したのか。流石はバーサーカー。バーサーカー様様だ。
「そうだ、バーサーカー」
「はい」
「セイバーとどうする?」
え、と。
彼は目を見開いた。
「あたしとしては二人で正々堂々闘っていただきたい訳ですよ。話し合いで和解しても良いし「ちょ、海南!?」……おー」
「わ、私は別にアーサー王に悔いる事など…!」
わたわたと焦るバーサーカーは完全に素になっていた。こんな性格なのね円卓の騎士様は。てかあたしの事呼び捨てにしたよね、今。いや別に気にしないけど。
「そ、それに何故私のことを…」
「秘密。ねえ、ランスロット。貴方は狂戦士として喚ばれる程に何か想うことがあったんでしょ?」
「……」
「あたしと契約しっぱなしで良いから、魔力のことは気にしないで。それよりちゃん自分で考えて、覚悟決めておいてよ」
きゅ、とバーサーカーは唇を噛み若干うつ向く。あたしは雁夜おじさんと桜ちゃん、二人を見た。
「――…あと少しで終わるからね」
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『悔いはないか』
何処と無く聞こえる声に首を縦に振った。
『ならば教会に戻り休息を取るが良い』
「……うん、」
覇気の無い返事にギルは呆れたようにため息を吐き、実体化をした。
「愚か者。本番はこれからだぞ」
ぐしゃぐしゃとあたしの頭を無遠慮に撫でるギルの手は優しかった。だから、目じりが熱くなる。
「……ねえ、」
答えがほしくて。
「あたし、間違ってなんか、ないよね」
誰かに肯定してほしくて。
一番問うてはいけない人物に訊いてしまった。
ギルガメッシュは笑う。
「さてな、その内教えてやろうではないか」
それが善くない笑いだと知っているのに、あたしは安心してしまうのだ。
「早く戻りたいよ」
「……」
「ちゃんと、みんな、待っててくれてるかな……」
愚か者、と。
ギルガメッシュは嘲笑う。
良く頑張りました