「―――…ユリアナ」

その声に反応して彼女は瞳を開ける。うっすらと、まだ寝ていたいと言わんばかりの視線で起こした人物を見た。

「夢を見たぞ」
「…?」
「星が天上から降り注ぐのだ。しかし、我が押し返そうとてぴくりともしなくてな」

ゆっくりと意識を覚醒させていく。そうして、ギルガメッシュの夢について反応する。

「…余はそんな夢見なかったぞ」
「―…そうか。嫌な予感しかせぬ」
「問題ない。喩え、星が降り注いだとして余と二人で持てば問題なかろう」

その答えでもまだ納得出来ないのか。眉を寄せるギルガメッシュに「ならば母上に聞けばよい」と言い寝返りを打つ。その背中に抱き着きギルガメッシュは彼女の体を抱いた。

「…ギルガメッシュ?」
「……何故か、こうしておかねばならないような気がした」

彼女は差して気にするでもなく、また瞳を閉じ笑う。

「何時でもできよう。我々が離れることなど有り得ぬ」
「ああ、分かっておるさ」

旋毛に唇を落とし、まるで愛人のように二人は寄り添いまた眠りについた。だがギルガメッシュは体を起こす。昨晩中途半端にした責務があったのだ。兎に角片して、ユリアナと遠征に行かねばと彼は布を纏い部屋を出た。

さあ、侍女どもに服を用意させ、そして母上に夢のことを訊きに行こう。それから終わらせれば良い。




(その日の日中に、彼は現れた)
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