常に優雅たれ。


「王の財宝を開けたであろう?」
「ああ、魔力が足りなくなってな。確か魔力を宿した壺があったと思うて漁っていたのだ」
「そう言えば魔力の供給源を殺したと申していたな」
「うむ。まあ、しかしおおよそ20日は問題なかろう。あの壺、中々の一品よ」

例え自らのサーヴァントをまんま女にした存在が居たとしても。否、確かにこのサーヴァントには生前双子の妹が居たとされている。されてはいるが、ここまで似通うものなのか?というかこの性格が一人でも大変なのに二人とか信じたくない。

「失礼ながら王よ…その方は」
「余を知らぬと申すか」

冷ややかな視線。しかしギルガメッシュの手によりそれは遮られた。

「仕方あるまい。そう怒るなユリアナ」
「――…では、やはり」
「我の妹よ」

ワインを落としたくなった。ああ、現実とは非情なものである。

「ふん、よく殺さなかったな」
「まあな。詰まらぬ男だが我の臣下につくと申しおってな。それに聖杯は我等のもの。その為にはまあ、使ってやらんこともない」

ふふん、とギルガメッシュは笑う。強制的に呼び戻しても上機嫌なのは彼女のお陰か。それは有難いのだが、どうにも納得できない。ていうかしたくない。帰ってほしい。
居座る気満々な彼女を見て溜め息を吐く。追い出せる訳がない。そんなことをしたら己のサーヴァントがぶちギレるに決まっている。
はあ、ともう一度溜め息を吐いた。そんな時臣の心情など知らない二人組は楽しそうに談笑している。



―――…どうしよう、これ。
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