「はっ、あ…、らんっ、やめ」 「こんなに感じてんのに?」 「あっ、!」
風呂場の壁に手を付け喘ぐシークレット。何故、何故こうなった。耳朶を甘噛みされ甘い吐息が口から零れ落ちる。自らの下半身に手を伸ばし後ろから身体を密着させている男を睨みつけるが男の動きが止むことはなかった。
「…うっ、あ」 「なあ、お前だってこうされりゃあ感じるしキモチイイだろ?」 「うるさ、い」 「どんなに姿形を偽っても女って事には変わりねえんだよ」
ああ、そうだ、と。 確か湯に浸かっていたんだ。それで、ランサーが、入ってきて。
「はぁ、ん、う、ああああ、あ!」
蕩ける脳みそでは何を考えても思考が回らない。ただ立っている事事態が苦痛で目の前の壁に身体をあずけようと密着させる。敏感になっている胸の頂が冷たい壁に触れて自然と声が漏れた。
「むう、う」 「身体だって柔らけえし」
背中からくっついてくる体はごつごつしていて自らが昔望んだもの。けれども女の身でその肉体を手に入れることはできなかった。
「わか、ってる……!」
涙はこの行為からなるものか、悔しみからか。 ぐるりと反転する体。背中が冷たい壁に当たり、また声が漏れた。 そこに居たのは獣の目をした男。お湯にしたり髪の毛は垂れている。それは、シークレットも同じなのだが。けれども今まで"女"として扱われなかったシークレットにはその行為は死ぬほど、恥ずかしかった。だから眼下の男を睨む。何故こんなことをするのかと。
「女として気持ちよくなりゃ良いんだ」 「、きさ、ま」 「シークッレト」
男の手が身体をなぞる。 熱い何かが、触れた。
「俺の下で喘げ」 (快楽に溺れて嘆く)
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