倒 錯わぁる ど

不等号の順番
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にゃおん、という鳴き声と共に足元に何かがすり寄る感覚がして、下を向けばすりすりと足に体をくっつけている虎がいた。

「ん、おなかすいた?今から用意するから待っててね」
「俺もおなかすいたんですけどー」

ソファの隣で座っていたべりくんが僕にのしかかってくるので体が弱い僕はそのまま横に倒れこんでしまう。虎は僕が動かないのを見ると少し不機嫌そうにしてソファの上に飛び乗ってきた。

「べりくん、どいてくれないと何もできないよ僕」
「別におなかすいてないからいい」
「え?さっきおなかすいたって言ってたじゃん…」
「嘘だから」

べりくんまで不機嫌そうだ。困ったなぁと思いながら隣でイライラしている虎の頭を撫でてごめんねと言ったが虎はもう諦めたのかぷいと顔を背けて後ろを向くと尻尾をゆらゆらさせる。その後でソファからひらりと飛び降りていってしまった。それでもべりくんは動こうとしない。少し僕も怒った風にしてべりくんに強めの口調で反撃してみる。

「べりくん!虎がかわいそうでしょお!」
「アンタが虎ばっかり気にするから」
「…嫉妬?」
「悪いですか」
「べりくんも猫、好きなのに」
「それよりアンタのほうが好きです」

べりくんはこてんと僕より大きい身長を誤魔化すようにソファに浅く腰かけなおして肩に頭を乗せてくる。べりくんの重さと体温がなんだか心地よい。眠たくなってきて、ぼんやりと開いた視界の中にじっとこっちを睨むようにしている虎が見える。ごめんね、僕ねむいや、と言えば隣にいるべりくんも眠そうにしながら軽く笑った気がした。

べりふうは前提:監禁がなければただの年下攻めのいちゃらぶカップルです。かわいい。ほのぼのと二人だけの世界を作っていてほしい。

 

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