私を思うものに囚われる/舞白




好意とは鎖だ。そう舞白は景色の中で感じた。兄も弟もどんなものでもきっと与えてくれるだろう。
だが、そんな感情の裏から透けてくる感情。与えて、讃えて、求めて、その先には自分の元から離れないでそんなモノが透けて見えてくるのだ。
幸運を運んでくれても、それは離れていかないという約束になってしまう。
「なんて、ちぐはぐなんだろう」
息を吐き出しながら、その手は幸運の象徴を摘んだ。


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