*問われたとて
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『貴方にとって千羽陽さんはどんな人ですか』

兄ですか?少し困った面もありますが、優しい人ですよ。

『困った面、とは?』

お酒の量が少し。体にも悪いのでもう少し控えてくれるといいな・・・と思いますね。

『現在、千羽陽さんはお仕事をしていないそうですが・・・』

一応は、店の相談役としての地位にありますから、全く仕事をしていないというわけではないですよ。

『それは失礼しました。・・・普段、千羽陽さんはどのような生活をされているんですか?』

兄はあまり住まいである離宮から出ることがないですし、逆に僕は仕事で外に出ることが多いので、普段の生活の様子については詳しくは知りません。

『・・・そうですか』

あの。本題に入って頂いて結構ですよ?長く時間をかけるようなことでもないですよね、聞き取り調査なんて。

『そうですね。それでは単刀直入に聞かせて頂きます。最近、何か変わったことや困ったことは起きていないですか?』

単刀直入という割には、回りくどい聞き方ですね。

『それは』

すみません、つい。でも、特に変わったことも困ったこともないですよ。昔から変わらないことばかりです。

『・・・変えようとはしないんですか?』

する必要がありませんから。あぁ、でも。最近は少しずつ弟が自立してきているので、それに協力ができればいいなと思っています。

『そうですか。・・・私たちに何か出来ることがあれば、いつでもご連絡をください』

ありがとうございます。・・・機会があればそうさせてもらいます。





「連絡、してきてくれそうにないですね」
「まぁ、仕方ないだろ。明らかに俺らのこと信用してない目してたしな」
「え?そうでしたか?なんというか優しそうな雰囲気でしたけど」
「・・・お前もまだまだだな」





「・・・舞白さま」
「心配するといけないから、兄さんと椿には内緒にしておいてくださいね」
「かしこまりました」
「・・・・・・今更来たところで何も変わらないっていうのに」
「どうかしましたか?」
「なんでもないです。あぁ、そういえば、そろそろ時間ですね」


 

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