血の呪い
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私達は狂っている。

椿を愛おしみ犯したお父様も。舞白兄様を愛し、盲信している九十九も。舞白兄様を、椿を愛し執着している千羽陽兄様も。そんな千羽陽兄様を愛し縋っている舞白兄様も。

皆、みんな、狂っている。

あの男-おとうさま-の血が流れているからかしら?ああ、でもそれなら九十九は…この血に魅入られた被害者かしらね。
可哀想な九十九…決して実らぬ想いを抱き続けるなんて、舞白兄様-主-が千羽陽兄様-罪人-に焦がれ続ける様を見せ付けられ続けるなんて、ね。

「あっ、兄、さ…」

…だらしのない顔。

本当、悍ましい程に狂っているわね。
いつまでも全てを知らぬふりをして「椿」を演じている私が誰よりも狂っているのかもしれないけれど。


 

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