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そんな大人数ゆえのぐだぐだな雰囲気を、会長が手を叩いて止めた。
…うん、なにゆえ食堂全員が黙る?
「てめえら、食い終わったら無駄口叩いてねぇで生徒会室行きやがれ。今日中までの仕事終わんねえやつ土下座させんぞ」
「ふふ、それはごめんですね。…幸高、幸高も生徒会室来てくれますよね?」
素敵な笑顔で誘う副会長に、転校生が迷ったすえに柚弦の腕を引っ張った。
「柚弦も行くだろ?」
「んー、ごめん。俺は授業でないとやっべーわ」
断った柚弦の代わりに今まで存在感0だった取り巻き二人が名乗りを上げる。
「俺が行くから心配すんなって!」
「…俺も」
「うー、けど、柚弦行かないなら…」
迷う転校生に会長が笑って決定打を放った。
「幸高の好きな菓子も用意してあるぜ?」
「行く!!!」
「!」
か、菓子に柚弦が負けるだと…!?
転校生!!おんなじライバルとして恥ずかしいぬ!!!
なんて言わないけどねえ!!
生徒会の皆さまに構ってもらえばいいよ!
その間に俺は柚弦に構ってもらうもの!!
「じゃあまったねえネコちゃん☆」
「☆マークうにゃい」
「峯ー!」
「高南!」
「「ばいばーい」」
ぞろぞろと去っていく生徒会の皆さまに周りがまた奇声をあげる。
今回、柚弦と俺がくっついていかなかったことで、多少やっかみも減ったみたいだった。
「なんていうか…嵐?」
ぽつりと残された柚弦の一言に思わず頷く。
嵐というか台風というか、周りの被害が甚大じゃないです。
けど、騒ぎの中心がいなくなって、多少は落ちついたし、何より柚弦と二人きり!
隊長!ついに任務を遂行する時が来ました…!!
柚弦はただいまフリーです、抱きつくには、もってこいでありまする!!
がばあっと手を挙げる。
突然の行動にびっくりしてる柚弦にくっつこうとした瞬間。
ちゃららっちゃっちゃ〜。
「うわ、やっべ、予鈴なっちった!」
「どうしよ、僕まだ食べ終わってないのに…!」
「次移動じゃん、ほら早く!!」
「…ぬおおおおお!」
「おおう、どうしたどうした。」
時間かむばっく…!!!
飛び出た悔しさの叫びに、柚弦が覆面の上から頭を撫でてくれたけど、この衝動は止まらにゃー!!
「うぬおおおう!!」
「うおっ、いてぇ!」
クラス戻るかって立ちあがった柚弦に思いっきり抱きつきました、きゃっ。
「こーきさん、いてぇっす、超いてぇっす」
思いっきりくっついたせいで本当に痛がってるっぽかったけど、いつものようにすぐ笑顔になるから、全然怒ってない。
そんな優しく笑いながら言われても、こーきくんは離れないのであったー。
「うお、まじちょっときつくなってきた、階段やべえ階段!」
「ふぁいとー」
柚弦の背中にはりついてずるずると引きずられる。
「何、こーき、怒ってる?そんな覆面やだった?」
「ぬ?」
笑う柚弦の振動を楽しんでると、ちょっとばかし不安気に柚弦に聞かれて、そういえばと思いだす。
「それもあるー。柚弦さん放課後説教けってーい」
「うは、きびしー!」
デザインとかそういうことじゃなくて、顔隠したことについてだよ!(ちなみにいつまでもつけてると目立つしばれちゃうからクラスに戻るドタバタの間にとってありまっす隊長!)
柚弦全然気にしてないけど、ちょっとこそこそ言われてるからねえ!
え?体勢?体勢にこそこそ言われてる?
もっと言えばいいよ!!!
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