6月。
梅雨に差し掛かったが本日は晴天。

5月に1人の転校生を迎えていた学園で、稲垣は相変わらずだった。
生徒が和気藹々と昼食をとるなか、ピンポンパンポン、と校内放送が入った。


うん?なんだろうこの既視感。


と、誰もが思った、その日にはまだ学園にいなかった転校生を除いて。

「え?なにいまの音?」

と、転校生が首を傾げたのと同時に、声が流れる。


『本命の俺To転校生。俺から九条奪えんならやってみやがれ受けてたつ』


ブツッ。


唐突に始まって唐突に終わった放送は前回の経験を活かしてマイクテストもなければ、怒られないよう実に簡潔だった。
そのせいで名指しされた転校生は余計。

「…ハア!?」

混乱をそのまま口から吐き出した。

「な、なあ、なに今の!?だれ!?」

そして再び転校生が疑問を口にしたところで、ピンポンパンポンと放送が入り。


『私用で校内放送を使わないように』


冷静な声が響いた。




「あ、雅の声じゃん!!」



ライバル出現。





end



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