Back to the ちゅーたつ!仮 (78
2012/09/25 23:17

辺りを気にしながらドアを開け、ツタージャぬいぐるみを抱っこした元姫は曹丕と郭嘉を顧みた。

「スペースは撤収済み、陛下の買った山のような同人誌も陛下が子上殿達を追いかけている間に積み込みました」

「さすが才媛‥用意が良いことだ」

「‥‥」

誉めたつもりが、無言で見つめる元姫の目線は冷たい。

「な‥何だその目は‥」

怪訝な曹丕は脇からとんとん、と肩を叩かれる。

(‥皇子)

振り向いた彼に郭嘉はひっそり耳打ちして告げた。

「元姫殿、貴方が買い漁った「くの×甲斐×稲姫の3○百合モノ」とか「姜維×司馬師18禁」とか見てドン引きでしたよ、あと貴方が書いた本の表紙で幻滅してました」

ちなみに曹丕が書いた薄い本とは24話でちらっと出ていた昭ちゃんを筆で責める本と王異と司馬懿が蜀軍に捕まってアーンな感じの本である!

「何故見せたし」
「いやいや、まず見ずに片付けって無理ですから^^」

何食わぬ顔で笑う郭嘉に対して曹丕の表情は苦い。

不特定多数に売りさばいている物ながら、やはり身内同然の目に触れるのは、まるで恥ずかしい秘密を知られてしまったような敗北感がある。

「一番腹が立つタイミングで^^を復活させたな‥まあ良い」

曹丕は一度小さく溜息をつくと、何かを思い出したのか踵を返して部屋に戻った。

「あ‥陛下‥!」

突然のことに郭嘉達も足を止める。


引き留める声も聞かず帰ってきた曹丕は躊躇なく部屋の扉を開く。

「あら曹丕様‥忘れ物ですか‥?」

「‥ああ」

不思議そうに出迎えた甄姫の手を、彼は出会い頭に突然握りしめた。

「我が君‥?」


「この戦いが終わったら‥「俺の嫁」になってくれ」


「‥!!」

手を取ったまま言い放った一言。

甄姫は勿論、周囲の全てが硬直した。

凍った空気も、瞠目する甄姫も気にせず、曹丕は語調を和らげ、囁くように告げる。

「答えは聞かん。面倒をさっさと終わらせたら、すぐ迎えに行く。その時は嫌だと言っても攫っていくから、覚悟しておけ」

それだけを伝えて、無言で身を翻す。

しれっと戻ってきた曹丕に、一部始終を見る羽目になった元姫と郭嘉は思わず、と言った表情で苦笑した。

「陛下‥あんなにフラグを立てて最終回で死ぬ気ですか?」

「あはは、これで決戦前に皇子の愛剣が刃こぼれして本調子でないまま出撃せざるを得なくなったら間違いないね」

「お前達は私を何だと思ってるのだ‥」

げんなり渋い顔をする曹丕は、茶化す声を鬱陶しげに手で払い、至って真面目に断言する。

「とにかく魏に戻るぞ。仲達を何とかしてこの騒動に片を付ける」

「はいはい、仰せのままに」

「そのやる気は一過性でも喜ばしいわ」


いまいち素直じゃない配下を引き連れ、去っていく背中を甄姫は浮かされたような目で見つめていた。

「甄姫様」
「‥貂蝉さん」

名を呼ばれ振り向くと、貂蝉が歩み寄りながらすっと甄姫愛用の笛を差し出す。

「私達も参りましょう。あんなに見事なフラグを立てられてしまったら、何とかして回避しなくてはと思ってしまいますもの」

「‥ええ」

困った子供に心地よく辟易させられるように、甄姫はくすりと笑ってそれを受け取った。




昨日更新するつもりが具合悪くしてだめでした、せっかくの休日がorz
おかげで昨日はこれといって何も出来なくて、ポケモンパールでギラティナ捕まえたくらい(くらいって‥)




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