相互リンク御礼作文3(昭師百合
2012/10/13 17:11

おずおず手を伸ばして、寄り添うようにして肩を抱く。

触れて守りたいけれど、それはちょっと加減を間違えただけで壊れてしまいそうな儚さを存分に湛えていた。

「どうすればいい‥?」

胸に身体を預け、司馬師は上目遣いに妹を見上げた。

「俺の気持ち‥受け入れてくれたら、嬉しい」

「絶対幸せにはなれないのに」

「いいよ、別に」

司馬昭はひどく簡単に即答する。

考えなければいけないこと、整理しなければいけない感情、頭の中にはそのたくさんが山積みされていたが。

手探りしながら司馬師の腕が、自らを抱き締める司馬昭に応えるように彼女の背中に回される。

"やっぱり、君に恋してしまったようだから"

抱き合った肌から伝わる頬の熱さと胸の鼓動がその本音を雄弁すぎるほどに語っていた。

「‥キスしてもいい?」

頬を掌で掬い上げて司馬昭がふと囁く。

「え‥だめ、まだそんな事できない」

「俺は‥覚悟決めてるよ」

触れ合った瞬間、今までの関係でいられなくなるとしても。

「だって好きだもん」

「‥‥」

優しく笑う真っ直ぐな視線に、司馬師は熱い頬を桜色に染めたまま何も言えなくなる。

最後の自戒と愛情とがせめぎ合ってどうしていいのか分からない。

ただ本能的に感じる背徳感に噤んだ唇は今にも泣きだしそうに小さく震え、近付いてくる"その瞬間"に怯えていた。

「ね‥好きだよ」

「昭‥」

囁く息を感じるくらいの距離。


唇が触れ合う刹那、



「師、昭!いつまで遊んでいるのだ!」


無遠慮にドアを叩く音と共に司馬懿の声が飛んできた。

静寂を破る危険すぎる来訪者に姉妹の身体が大袈裟なくらい硬直する。

二人がキスする姿など目にした日には、司馬懿は黄色い救急車のお世話になってしまう。

どう誤魔化そうか、慌てる司馬昭の前で何を思い立ったか司馬師は妹を押し退け立ち上がった。

「あ、姉上‥!?」

突き飛ばされたまま、はらはら様子を窺う司馬昭の目の前で、司馬師は内側からドアを開け、ちらっと顔を覗かせる。

「すみません父上」

「師か、全くお前達は‥‥うわあああ!?」

顔を出した司馬師に常の如く小言を言い掛けた司馬懿は、らしくもない素っ頓狂な悲鳴を上げた。

それもそのはず、いま司馬懿の目の前には司馬昭も息を飲んだあられもない下着姿の司馬師が立っているのだ。

「な‥あ‥その‥し、師よ‥」

愛娘の格好に驚くほど取り乱した司馬懿は免疫のない中学生よろしくどぎまぎと視線をさまよわせた。

左右に忙しない顔は心なしか赤くなっているようにすら見える。

「まだ着替えが済んでいないので‥申し訳ありませんがあと少し待って下さい」

「分かった!分かったからはやく何か着なさい!」

しおらしい司馬師をぐいぐい部屋に押し込むようにして、司馬懿はすごい剣幕でまくし立てた。

結局、心配性で最近娘との距離感に悩みがちなお父さんは部屋を覗き込むこともなく、ちょっと混乱気味にそそくさとドアを閉じてしまった。

「すみません、急ぎますので」

「ああ分かった‥はっ、敢えて言っておくが私は何も見ていないぞ、父は断じてチラ見なんかしてない、ゼッタイ!」

扉越しになんだか言い訳がましい司馬懿の声が響く。

それを聞きながら、司馬師はドアに触れ、苦笑いして呟いた。

「本当に仕方ない父上‥別に見たら減るものでもないのに」

そんな姉の背中を見つめて、座り込んだ司馬昭は遠慮がちにしゅんと眉を顰める。

「あの、姉上‥ごめん」

「‥謝る相手が違う」

司馬師はぴしゃりと即答した。

はっきりした一言で斬り捨てて、あとから長々と小言を連ねる。

司馬師の人を叱りつけるやり方はいつもこうだ。

だから司馬昭もびくりと肩を竦め、怖々とこの次に降って来るであろうお説教に身構えた。

「‥‥‥」

「‥‥‥(あれ?)」

降ってこない小言に内心で首を傾げ、恐る恐る姉を見やる。

司馬師は妹の視線に気付いていないようで、振り向かずドアにこつんと額を当てて、静かで長い息を吐いて言った。

その表情に滲んだ苦しいものもまた、背を見つめる司馬昭の目に映ることはなかったが。

「これからずっとこうして隠し通すこと、出来る?何があっても誰にも言わず耐えられる?」

そう告げて司馬師は振り向く。

「健やかなる時も、病める時も、愛し‥敬い‥その命ある限り、真心を尽くすことを誓う‥その覚悟はありますか?昭は簡単に言うけれど、本気で人を好きになるっていうのはそれくらい重い事」

司馬昭の目の前で司馬師はすとんと膝を突き、彼女を見据えて問うた。

「姉上‥」

司馬昭は浮かされるように呟く。

夢見心地な目の前に佇む姿は誇張なしに"まるで天使のよう"と思えるほど淡く薄く、美しいものに映って見えた。

そんな彼女を導くように司馬師は細い手を差し伸べる。

「誓えるなら、私もあなたを受け入れようと思う」

されるがままにその手に自らのそれを重ねて、司馬昭は譫言のように言葉を紡いだ。

「誓う‥あ、誓います」

伝わる体温にはっと我に返り、司馬昭は無邪気な仕草で腕を引き寄せる。

今度は司馬師の方も応えて素直に彼女の胸の中に収まった。

華奢な指を絡め合わせ、声を潜めて二人は笑いあう。

「‥だってほら、好きだから」




おまけ
「仲達、お前んちの美少女にエロコスはさせているか?甄のお下がりに加えて私が自らセレクトした珠玉のおっぱいコスをいくつか混ぜてやったのだが気に入っただろうか」

「あれは子桓様の仕業でしたか‥」

「特にアラビアン姫君なんて下乳も素晴らしいのだが」

「そう簡単に着ると思うなよ!」

「えー姉妹のエロコス見たい(´・_・`)」

「そんな顔しても駄目なもんは駄目ですから」



おしまい

※アラビアン姫君=元姫ちゃん童話コス
それにしても百合はいいね‥
元姫ちゃんも混ぜて三人で三つ巴の百合ちゅっちゅとか最高だよね
ごめんちょっと黙るね




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