昭「鍾会は姉上に恋してる‥?」※その1
2012/10/13 17:01


某様の素敵おにゃ絵を見ていたらティンとなったので。

晋が全員女で娘子軍だったら小話。
ちょうどバレンタインだしいい頃合いだ

全体的にネオロマならぬ百合ロマンス。

そういや久々に遙かやりたいんですが、テレビをPCモニタに変えて以来コンポジ接続できなくなりまして。
PS2とWiiはあるのに使えない状態。
あーたまには揚羽コンビが見たい。


※晋が全員女で娘子軍(大事な事なのでry)

高らかに床を鳴らし、鍾会は城の廊下を闊歩していた。

殊更に背伸びするような爪先立ちのピンヒールに、身体の線を強調するちょっと刺激的な甲冑姿。

ストールを颯爽と靡かせて歩くと、すれ違いざまに思わず振り返る廷臣や侍女も少なくない。

そんな状況も満更でないのか、鍾会は時たま思わせぶりに遊ぶ髪先をいじってみせたりする。

ふと、そんな彼女に背後から声が掛けられた。

「ああ、鍾会殿。貴方も将軍から召集を?」

「‥諸葛誕殿もですか」

走り寄ってきたのは同僚の諸葛誕。真面目そうな雰囲気のうえ詰襟に手袋にと、頭から爪先まで全く隙がない。

ただ惜しむらくはその身長。

ヒール補正があるとはいえ、鍾会と一回り以上差がある小柄な彼女は仕草がいちいち小動物みたく見えてしまう。

「憧れの将軍からお呼び頂けるとは‥努力の甲斐があったというものです」

ほわん‥と乙女みたく頬を抑え、諸葛誕は照れたように顔を赤くする。

「どうだか‥そのデコッパチを一発叩かせろとか、そんな所じゃないですか」

対して鍾会は冷めた目で諸葛誕を見てぼそりと言った。

「デコ‥し、失礼な!これは視界を遮らない為の合理的な髪型で‥!!」

途端に額を手で覆い、彼女は俯き加減に反論しながら鍾会に並んでつかつか歩く。

オールバックにしている割には、広めの額がちょっぴりコンプレックスらしい。

「大体天パに髪型をとやかく言われる筋合いはありません」

「何か言ったか」

「‥将軍!諸葛公休、参上致しました」

「無視するな、おい」

捨て台詞とばかりに一言毒づいて、諸葛誕は何食わぬ顔で執務室の扉を開けた。


「これはこれは、若い方々がお揃いで‥ごほっ」

執務室には先客の郭淮がいた。

華奢な肩と長い髪が咳込む度に危なっかしく揺れる。

その蒼白な顔色と体躯通り病弱な彼女は、一応戦姫でこそあるが内向きの任務に就くことが多い。

今日も将軍‥司馬師の補佐に当たっているのだろう。

そんな彼女が対峙する先には、当人の司馬師もゆったりと腰掛けていた。

「急に呼びつけて悪かったな」

豪奢な椅子の肘掛けに凭れて脚を組む、そんな姿がいやに様になる。

鍾会の隣にいた諸葛誕は、微笑を向けられるなり弾かれたように敬礼した。

「い、いえ!司馬師様の御命令とあらば何をおいても駆けつけます!」

「何を興奮してるんだか‥」

半ば呆れ顔の鍾会も、彼女を後目に司馬師に拱手する。

自信過剰で自己愛に溢れた鍾会だが、唯一司馬師には素直に従っていた。

絶対領域と胸元くらいしか露出のない着込まれた姿は鍾会と比べれば大分大人しく見えるのだが、所作とか声音とか、優雅な雰囲気で見事に才色兼備を体現した彼女には敵わないと一目置いているらしい。

「お前達には戦線指揮の任に就いて欲しい」

そう言って司馬師が脚を組み直す。

露わになった白い腿に諸葛誕が何かハアハア(*´д`*)言い出したがそれはともかく。

「場所は呉の国境近く。未だ睨み合いですが膠着しておりまして、司馬懿殿も現地に留まり続けるわけには参りませんからね‥げほげほ、お二人には、後任を務めて頂きたいと」

言葉を受け、咳混じりに郭淮が続けた。

「母上の代わりには昭を行かせる」

頬杖をついて司馬師がそんなことをぽつりと呟くと、諸葛誕の肩があからさまにびくりと揺れた。

「し、司馬昭殿‥司馬師様でなく‥ですか」

「未熟だが私の可愛い妹だ。よく補佐してやって欲しい、期待しているぞ諸葛誕」

落胆する諸葛誕に気づいているのかいないのか、司馬師は酷薄にすら見える麗しい微笑を向ける。

「はあぁ‥はいっ必ず!」


司馬師の笑顔>>>>>(越えられない壁)>>>司馬昭と共闘

諸葛誕の中ではこうなっているらしい。

彼女は愛憎入り交じった形容しがたい表情でやけっぱちな答えを返した。

「(涙目だ‥)まぁ、任せて下さって構いませんよ?私の活躍で司馬昭殿が霞んでしまうでしょうから、先に謝っておきます‥では」

一々忙しい隣に流されつつ、鍾会も腕を組んで不敵に答える。

挨拶もそこそこに諸葛誕を引っ張って部屋を出ていく鍾会を見ながら、司馬師は悩ましげに息をついた。

「ふふ‥元気なことだな」

「はぁ、私ははらはら致しましたよ‥まだ脈拍が‥うぅ」


その2に続くよ!





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