桜の芽が色づいてきたのを縁側に腰掛けて見つめていた。

春の訪れが近くなってきたなあ。

今回は厳しい戦に部隊を出してしまった、大丈夫だろうか…

そんな事を思いながら、そろそろ戻るだろう隊員への茶を煎れに部屋に戻った時だ。

後ろから力強く覆いかぶさってきたのは、今日が初隊長の鶴丸国永だった。

またいつものおどかしかと思ったが、様子がおかしい。
息があがり、無言のまま、抱きしめる力は強くなる一方で。

「く、国永…?」

「……」

よく見ると白く綺麗な着物は戦の血しぶきを浴びて赤く滲んでいた。

「怪我は…ないみたいね…いま着替えを持ってくるから」

そう言って無言のまま痛いくらいに抱きとめている手に触れた時、

思い切り手首を捕まれ床に押し付けられてしまった。

「…っいた…」

「…ない。」

「く、になが…?」

押し付けられた体を少し捻り抵抗をしたがびくとも動かないすごい力だ。
国永は小声で何かをつぶやいている。顔を見ようと首だけを動かす。

「泣いてる、の?」

国永の目は私を見下しながらも涙で溢れていた。

「…すまない。…止まらないんだ。」

それだけいうと国永は私の着物と下着を無理やり剥ぎ取り
待ったをかける前に自身を濡れてもいないそこに押しいれた。

「…いたいっ!やだ…!や、無理、だよ…うぁ、」

「なまえっ…は…うっ…」

ギチギチと今にも裂けそうなくらいの激しい痛みと圧迫に声にならない嗚咽が漏れる。
国永は容赦なく激しく腰を打ち付けて、荒々しく掻き乱す。

「あ…うぅ、んうぅぐ…ふぅ、、やぁ…」

畳に顔が擦れる痛みと後ろから激しく突かれる痛みと。
痛みしか感じない。こんな形で身体を重ねることにすら痛みを感じる。

ぐちぐちと交わるそこが国永の先走りとぬちぬちと擦れ合う。
段々と突く速度が速まり奥まで突かれ目の前がチカチカする。電流が走ったように

「…っは、っあ、るじ…なまえ!!あ…もう…っ!!」

「…っんんぅ」

一度ぎりぎりまで引き抜いたソレを思い切り奥の奥へ突き全ての欲を吐き出した。


「…う、あ…」

そのまま畳に這い蹲る私の上に国永は倒れこむように畳に崩れむ。
荒い息を整えながらもまだ泣いている国永に何があったか尋ねる力すら今はなくて
しばらくそのまま何かを背負い込んでるであろう国永の重みを感じていた。

「なまえ…っ俺は、今日…たくさんの命を、殺した…」

ぽつり、ぽつり、と吐き出すようにしゃべりだした国永に私は黙って耳を傾けた。

「皆を守るためだと、それが俺の役目だと、思って、たくさん、切った」

ギリ、と歯を食いしばりながら国永は続ける。

「でも、駄目だったんだ…俺が隊長じゃ…皆、傷ついていく、血が、流れる。」

泣きながら私の上から退き優しく私を抱き起こして、
綺麗な顔を歪ませ涙で目を腫らした国永と目が合った。

「たくさんの血が流れていくのを見て、気持ちが高ぶる自分が怖いんだ…」

わなわなと震えながら自分の手を見つめる国永を見て、
ああ、この人はこんなにも重いものを背負っていたのだと。

大丈夫。すぐに慣れるよ、としか言葉が見つからない自分が恨めしくて。

国永のことを抱きしめながら。

「私でいいなら、溜まった重み全部吐き出して」

そう伝えればまた、国永は顔を歪ませ泣いてしまった。

私は国永を汚すことしかできないようだ。

また新しい部員を揃えなきゃなあ、と考えるあたり
私も落ちぶれてしまったものだと。
戦で死んだ仲間の形見を横目に呟いた。
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