夏も終わり秋に差し掛かった季節の変わり目。
俺の主は季節の変わり目には必ずと言っていいほど体調を崩される。
その度に本丸は大騒ぎなのだが、当の本人は笑顔を絶やさず、周りの者に
「大丈夫だから」といつものように振る舞う。
しかし、主が大丈夫。と言う時こそ大丈夫ではない事を俺は知っている。だから心配になるんだ。

短刀達が寝静まった後、主は毎晩自室に籠もって大量の書類を片付けている。
時折咳き込みながら、俺は主の近侍であるから部屋が隣であって、主の様子は大体わかる。
辛いながらも努力を惜しまない主を俺は慕っている。

いや、正確に言うと主の事が愛おしいのかもしれない。
いつも主の事を考えて主のためなら何だってする努力は惜しまない。
この人のそばに、尽き果てる日まで側にいたいと、思ってしまう。

そんなことをふつふつと考えていたら主の部屋から大きな咳き込む声が聞こえて、思わず体が動いてしまった。

「主!!」

許可を得る事も忘れ襖を開けて主に近寄ると、顔色のすぐれない虚ろな目をした主が顔を上げた。

「長谷部、ごめんなさいね、起こしちゃったかしら」

「そんなことはいいのです。主、体調がすぐれないなら身体を休めてください」

そう言いながら主の手に手を添えるととても熱い熱が伝わってきた。

「大丈夫よ、少し熱が上がっただけ、それに書類も残っているし」

机に積まれた書類に目を向ける主を見て、大量の書類を送ってくる政府に悪意を覚える。

「主は、辛い時ほど、大丈夫。とおっしゃいす。」

「長谷部…」

「ずっとあなたを見ているのですから。伊達に近侍をしてませんよ。」

そう伝えると、主はくすりと笑い、
「長谷部には敵わないわ」
と照れ臭そうに片手で口元を覆われた。

畳まれていた布団を敷き直し、主を布団に寝かせると

「長谷部のような方が私の殿方ならきっと幸せに暮らせそうね」

微笑みながら鈴のような声色で呟かれた。

ああ、この方は俺の気持ちに気付いていないのか。

そんなことを考えると伝えたくなってしまう。

あなたが好きなのだと、あなたのために生きて行きたいのだと。
あなたが他の殿方を見つけてしまったら、俺は…

正座した膝の上の拳を握りしめ、覚悟を決めた。

いつ戦で滅びるか分からない、伝えれるときに、伝えなければ。

「主。俺は…主を…愛しています。」

主の瞳を見つめながら、今の関係に支障が出てもいい、近侍から外されてもいい。俺は主を愛している。それだけを伝えたくて。

目を大きく見開いた主は、布団から起き上がって、俺の頬に熱を帯びた手を添えた。

「長谷部…嬉しい。私はね、いつも真面目で誠実な長谷部を見ててね、近侍にしようと決意したの。」

首に腕を絡ませてきた主を抱きしめながら主の言葉に耳を傾ける

「本当はね、みんなを平等に愛してあげたいの。でも…長谷部と2人になると…いつの間にか長谷部しか見えなくなっていたの」

主の気持ちを耳元で告白されて、俺は今一体どんな顔をしているだろう。
愛おしい方からのこんなにも嬉しい言葉に心は満たされ、喜びに満ち溢れている。

そんな気持ちが溢れ出しそうで、思わず主の唇を奪っていた。

絡ませていた手は俺の髪の毛と絡まり合い時折頭を引き寄せる仕草を見せ、
互いに夢中で唇を重ねあった。

荒くなる呼吸と互いの熱を感じながら舌を絡ませ時折舌に吸い付いて。

甘ったるい声を漏らす主が愛おしく
散々貪った唇が解放された時
俺の理性は等に切れていた。
布団に主を寝かせ、その上に跨り、
主の寝巻きを解いていく。

長谷部、長谷部、と小さく名前を呼ぶ目の前の愛しい人の身体が露わになった時、思わず感嘆の息が漏れた。
色白で熱のせいか少し蒸気した肌、
しっとりと手に吸い付いてくる形の良い膨らみ。
何もかもが俺の欲望を満たすのに充分過ぎるものだった

「長谷部…んん」

胸の突起を甘噛みすると、甘く切なげな声を漏らす。もっと聞きたい。

下着の上から、敏感な蕾をグリ、と押すと、大きく身体を捩らせ、口元を両手で覆う。その仕草が愛らしくて、ついつい敏感な蕾ばかりをクリクリと指先で弄ってしまう。

「あっあっ、はせ、べ…そこ、やあ…」

下着越の布越しに擦れるのが気持ちいいのか、すでに下着は履いている意味をなさないほど濡れていた

腰が浮いた隙に下着を取り払い、直接その飾り毛の奥の敏感な場所に舌を這わす。頭上では声を殺しながら悶える愛しい人が俺の頭を微力な力でぐいぐいと押し返す。

御構い無しに主を堪能してはちきれんばかりの自身を秘部に当てがい、
蕾と入り口をこするように滑らせる。
ゆるゆると擦り付けていると
主の手が俺の自身に伸びてきて、誘導するかの様に秘部の中に忍び込ませた。

「そんなに欲しいのですか…?」

トロンとした表情のまま主はこくりと頷いた

ゆるゆる腰を動かしてる主のいいところを探る。
奥まで突いてぐりぐりと腰を揺らせば中がきゅううっと締めつけられる。

「ここ、ですか…っ?」

ぐりぐりと続けて動かすと今までにないほど甘い声で喘ぐ

「主…っすみません。我慢、できそうに、ないっ」

腰を掴んで最後はガツガツと腰を打ち付け
主の腹部に欲をぶちまけた。

お互い荒く息を繰り返し、
俺は大変な事を思い出した。

そう、主は風邪をひいているのに、
欲望に逆らえず無理をさせてしまったのだ。

今更聞くのも何だか俺はバツが悪そうに体調はいかがですか?
としか聞けなかった。

「…ん?長谷部のおかげで汗かいたし、ぐっすり眠れそうよ」

貴方って人は…
明日は主の好きな甘いものでも街に買いに行こう。
すやすやと寝息をたてだした愛しい人を隣にそんな事を考えた。
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