05


中を堪能するように容赦無くぐちゃぐちゃと掻き混ぜられ、俺はすぐに限界がきた。

「ふぁ…ぁ…もっ…」

唇を重ねられ、飲み込めなかった唾液が頬を伝って落ちる。

「何だ、もっとシテ欲しいって?」

分かっていながら態とそう言って笑う猛に最早俺は言い返す気力もなかった。

「ぁ…んっ…んっ…は…」

「しょうがねぇ、今日はこれで勘弁してやる」

両手で俺の腰を掴み、ギリギリまで引くと奥の奥、最奥の一番イイ所目掛けて一気に挿入した。

「やっ…ぁぁああぁっ―――!!!」

ピンと身体が大きくしなり俺は熱を解き放ち、中にいる猛のモノをギュゥッと締め付けた。

「くっ―」

数瞬遅れて猛のモノが最奥で弾け、熱い液体がジワジワと俺の身体の奥を犯した。

「…うぁ…ぁ、つい…」

「…っ…はぁ」

弛緩してベッドに沈んだ俺の胸にぽたぽたと猛の額から汗が落ちてきた。

「…っあ」

敏感になっている俺の身体はそれさえも感じてしまい、中にある猛を一瞬締め付けてしまった。

「はっ…。まだ足りねぇのか。いいぜやってやる」

最悪なことにそのせいで猛のモノが硬度を取り戻してしまった。

「今のは…違くてっ…んあぁっ!」

人の話を聞かない奴に言いワケも通じるはずがなくて、吐き出した欲と共にゴプリ、と引き抜かれまた勢い良く中へ打ち付けられた。

「ふぁ…あっ…も、むりっ…」

俺が覚えているのはこの後一回イカされて、猛の熱を感じた所までだった。







「…うっ」

寝返りを打とうとした所で痛みを感じ、目が覚めた。

ぼんやりと開けた視界には見慣れない天井。

「…何処だここ?」

出した声は少し掠れていた。

また、身体を起こそうとすれば腰と人には言えないような所が痛んだ。

「っ、そうだ。俺買われたんだ」

何とか上半身を起こして、周りを見回すが痛みを作った張本人の姿は何処にもなかった。

そして、昨日見た大きな窓のカーテンは開けられ、今が昼間だと教えてくれた。

「とりあえずこの部屋から出るか」

ベッドから足を下ろし、痛む腰を左手で擦りながら右手を壁について歩き出した。

猛があの後、俺を綺麗に洗って服を着せてくれたのか?

ベッドも汚れてなかったし。

寝室の扉を開けて廊下に顔を出してみたが、人のいる気配がさっぱりしなかった。

リビングへ入ればテーブルの上に一枚の紙とサンドイッチ。

書かれている内容は猛の性格なのかやはり命令形。

「この家から出るな、って同じ事は二度言わないんじゃなかったのかよ」

これは紙だからいいのか?

「で、このサンドイッチを食えって一体誰が作ったんだ?」

猛は絶対に料理とかしなそうだし、他の人間だろうな。

ファミレスやコンビニ等を除いて本来、他人の作った料理を食べることをしない俺だが、今は作る気力も体力も無かったから有り難く貰うことにした。

食べ始める前にキッチンへ行き、冷蔵庫から勝手に烏龍茶を貰った。

リビングに戻り、ソファーに凭れてモソモソとゆっくり食べる。

考えることはこれからの自分の身の振り方だ。

「そういえば結局俺を買った理由は誤魔化されたな…」

ふぅ、と溜め息を吐いて烏龍茶を口に含む。

猛のあの容姿なら男も女も掃いて捨てるほど寄ってくるだろうに何で俺なんだ?

考えても分からない事だらけだった。

「ここから出られねぇってことは当然大学にも行けねぇって事だよな」

復学出来るかは置いといて、とりあえず休学届けを出さなくては。

それからアパートの荷物、猛が唐澤さんに手配がどうのって言ってたな。

それと一緒にバイクは持ってきてもらえんのか?

腹が満たされたら次に眠気が襲ってきて、だんだん思考がまとまらなくなってきた。

まだ身体の方も休養を必要としているのか俺は無理に逆らう事はせず、ソファーに寝転がって瞼を落とした。








猛が帰って来るまで俺は束の間の休息をとることにした―。





返済×籠の鳥 end.

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