九琉学園小話6(京介×圭志+α)

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小話Y(京介×圭志+α)


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「…………」

ピタリと、右手に持つ圭志の箸が止まった。

むっと微かに眉を寄せ圭志はチラリと京介を伺う。
しかし、右隣に座る京介はそれに気付かず、静と宗太と話ながら箸を動かしていた。

「どうかしたのか黒月?」

圭志の行動にいち早く気付いた明が左隣から声をかける。

「いや、ちょっと…」

止まった箸の先には彩り野菜のフライドサラダなる、サラダが手をつけられずに鎮座していた。

「黒月先輩?」

向かい側にいた皐月も明の声に圭志の方を見る。
すると、話していた三人の視線も自然と圭志に向けられた。それをきっかけにして、圭志は覚悟を決める。

「……京介。口開けろ」

「あ?」

ザクッとサラダの中にあったソレに箸を突き刺し、圭志は説明も無しに、右隣に居た京介の口の中へとソレを放り込んだ。

「んぐっ、…っ、お前…」

「あと三つだ京介」

突然の圭志の強行にその場にいた面々は驚く。が、次には呆れた様な表情を浮かべた。

「黒月くん、いくら何でもそれは…」

「へぇ。黒月、セロリ駄目なんだ?」

「駄目っていうか、コイツはどう考えてもパセリと一緒で彩る為の飾りだろ」

ん。とセロリを刺した箸を京介の口元に運ぶ。その迷いのない行動に京介は肩を竦めた。

「ったく、しょうがねぇな」

あー、と口を開けた中へ圭志は二個目のセロリを放り込む。

そして、何事かと心配した他の面々は、ナチュラルにいちゃつく圭志と京介を目の前に呟くのだった。

「バカップルめ…」



end...

◇◆◇
九琉学園-小話Y-
日常の一コマを小話として配信。

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