九琉学園小話5(初期設定ver.)

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生徒会長→圭志
編入生→京介
(京介×圭志)

◇◆◇


+first contact+


「悪いんだけどよろしく、圭志くん」

と、理事長に頼まれたのは約十五分前。圭志は約束の時間になっても現れない編入生を探して学園内を正門の方へと向かって歩いていた。

「迷子にでもなってんのか?」

周囲に視線を走らせ迷い込みそうな横道も確認していく。

「……いた」

案の定、本道を外れた横道、噴水の上がるちょっとした休憩所にその姿はあった。

しかし、どうやら迷子と言うわけでは無さそうだ。

編入生はベンチに仰向けに寝転がり、こちらの事などお構い無しに眠っていた。

「コイツ…」

迷子になってやしないかと人が折角探しに来てやったと言うのに。圭志は些かムッとしながらも、努めて冷静に声をかけた。

「おい、起きろ」

「………」

ピクリとも反応しない相手に圭志は痺れを切らし、編入生の肩を掴んだ。

「起きろって言って―…」

息を吸い込み、吐き出した言葉は相手が圭志の手を掴んできた事で途切れる。

「うるせぇよ」

不機嫌な声音にジロリと鋭い眼差しを向けられ、圭志もつい反射的に睨み返す。

そのまま喧嘩腰の姿勢で圭志は口を開いた。

「編入生の神城 京介だな?」

「そういうてめぇは誰だ?」

シンと数秒睨み合いが続く。

…これはまた癖のある奴が編入してきたな。

「俺は生徒会長の黒月 圭志。お前を迎えに来た。大人しく理事長室までついて来い」

先に視線を外した圭志は京介に掴まれた手を払う。

「…いいぜ、ついて行ってやっても。ただし条件がある」

「何だ?」

「キスさせろ」

「…ふざけてんのか、てめぇ。俺のキスはそんなに安くねぇ」

「そりゃ好都合だ。とりあえず挨拶がわりに奪わせてもらうぜ」

振り払ったと思った手で再び腕を掴まれ、強引に引っ張られる。

「――っ!!」

そして、気付いた時には唇が重なっていた―…。



(…っは、何しやがる!)
(行きたくねぇけど理事長室行くんだろ。早くしろ圭志)


end...

◇◆◇
小話第五弾は九琉学園、初期設定ver.設定を見返していたら出てきた産物。せっかくなので表に出してみました。

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