相沢兄弟小話4(Signal×恋愛)

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小話W(Signal×恋愛)


◇◆◇



その日、学校から帰ってきた隼人は玄関にある靴を見て、珍しい…と思った。

靴を脱いで玄関をあがり、隼人は鞄を手にしたままリビングに顔を出す。

「ただいま」

「…もうそんな時間か」

リビングには思った通り珍しい人物がいた。

「どうしたの兄貴。こっちに帰ってくるなんて珍しいじゃん」

隼人の兄、相沢 大和。隼人より三つ上で、大学に入ってから一人暮らしを始め、忙しいのか中々家の方に帰って来ない。

「たまには顔を見せにな」

大和はふと不思議そうにする弟の顔を見ながら、涼やかな笑みを口元に浮かべた。

「そっか」

それだけで納得した隼人は鞄を置きにリビングを出ようとする。
その背に、大和の鋭い声がとんだ。

「それよりお前、あまり危ない事はするなよ」

「分かってる」

隼人は振り返らず、返事だけを返しリビングを出て行った。

「俺もそろそろ帰るか」

大和は時間を確認して、ソファーから立ち上がる。

特に持ってきた荷物は無いので手ぶらに近い状態で玄関に向かった。

靴を履き、扉に手をかけたところで今度は逆に大和の後ろから声がとんでくる。

「兄貴。兄貴も気を付けろよ」

階段の上から顔を覗かせて言う隼人に、大和は瞳を細めて笑った。

「また近い内、顔出しにくる。二人が帰って来たらそう言っといてくれ」

それだけ言って大和は家を後にする。

「は?顔見せに来たって…、親父と母さんに会ってないのかよ兄貴」

残された隼人は、我ながら謎過ぎる兄だと首を傾げた。



(あれ?大和さん…?)
(廉か。お前もあまり危ない事はするなよ)


end...

◇◆◇
小話第四弾はSignalと恋愛×戦争にそれぞれ登場中の相沢兄弟です。あっさりした感じの兄弟って良いですよね。こんな感じで番外の番外、相沢兄弟の一幕を小話として配信。

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