九琉学園小話3(京介×圭志)

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小話V(京介×圭志)


◇◆◇



夕日の差し込む教室。
二つの影が静かな室内に伸びる。

「先輩が好きです…。叶わないのは分かってます。けど、どうしても諦められなくて…」

涙を堪えた震える声。答えは分かりきっていても、一生懸命想いを伝えてくる少年。

圭志はふっと瞳を細め、目の前の生徒に答えを返した。

「悪ぃな。俺にはもう京介しか考えられねぇ」

京介に捕まる前なら応えていたかもしれないが。

「っ、ごめんなさい。分かってた事なのに。…ありがとう、ございました」

堪えきれず涙を溢した少年は頭を下げ、教室から出て行く。

諦める為に告白をしに来た生徒。

圭志は窓に背を預け、ため息を一つ落とした。

「…京介」

諦めきれない想い、か。
…今なら分かる気がする。

だって、俺はもうお前から離れられそうにねぇ。

なぁ、どうしてくれんだ京介?

その答えも聞く前からすでに決まっていた。



(それで良い。俺が圭志を手放すわけねぇだろ)


end...

◇◆◇
九琉学園-小話V-
時期としては恋人同士になった後。京介には見せない圭志サイドの話を小話として配信。

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