九琉学園小話1(京介×圭志)

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小話T(京介×圭志)

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机の上に腕を乗せ、顔を伏せて目を閉じていた圭志はふと横から視線を感じて目を開けた。

「何だよ…?」

その先には京介がいる。

「別に」

そう言いながら視線を動かそうとはしない。

「用がねぇなら黒板でも見てろよ。気が散る」

今は授業中だ。圭志が眉を寄せて返せば京介は微かに笑みを浮かべた。

「何だ、俺を意識してんのか?」

「誰がだ。勘違いしてんじゃねぇ」

睨み付けた圭志に向かって京介の手が伸びる。
髪に指を絡ませ、サラリと撫でた。

「………」

それを面倒なのか本当に眠いのか圭志は嫌な顔をしたものの振り払わなかった。

そしてまた瞼を閉じて寝る体勢をとる。

「俺の側で無防備に寝てると危ないぜ」

「…お前はそんな事しねぇよ」

邪険にしながらも信頼はしている。ただ言葉にしないだけで。

「そうか」

思わぬ圭志の台詞にふっと京介の口元が緩む。

「…そうだよ。分かったら邪魔すんな」

顔を伏せ、髪に触れる手を少しだけ心地好く思いながら圭志は口を閉じた。



(裏を返せばお前が側にいるから安心して眠れる、なんて…絶対言わねぇ)


end...

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九琉学園-小話T-
友達以上恋人未満な二人。本編で書ききれなかった話を小話として配信。

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