藤宮家小話10(夏野×千尋)
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小話](夏野×千尋)
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ふわりと羽の様に降る口付け。額に、瞼に、目元に、鼻先に、頬に…唇。
「千尋」
低く甘い声音が耳元で囁く。名前を呼ばれて、誘われるようにうっすらと瞼を開ければ、ゆるりと愛しそうに瞳を細め、見つめてくる義兄。
「…夏野」
腰に回された腕に引き寄せられ、千尋も自ら夏野の広い胸へと擦り寄る。
すると、夏野はクスリと吐息を溢し笑った。
「可愛い…」
ギッと二人分の重みを受けてベッドが軋み、シーツに散らばった薄茶の髪に夏野の指が絡む。
そしてまた徐々に近付く距離に千尋はどきどきしながら瞼を下ろした。
「………」
けれど、待てども唇に触れる感触はなく、クツリと笑みを含んだ吐息が千尋の唇に掛かる。
いぶかしんでそっと瞼を上げれば意地の悪い顔。
「どうして欲しい?」
そして、どうして欲しいか分かっていながら問うてくる夏野。
「…キス、して。唇に」
頬を赤く染めながら言えば、掠めるように唇に触れる熱。
「これでいいか?」
「〜〜っ、狡い!オレはもっと」
「もっと、何だ?」
どこでスイッチが入ったのか意地悪な夏野に瞳が潤んでくる。…意地悪な癖に目元に滲んだ涙を吸いとる舌先は優しく。…大好きだ。
「もっと…深いキスが良い…」
羞恥に耐えて先を欲せば、良い子だと頭を撫でられ重なる唇。
「ンっ…んんっ…ふぁっ…」
「…ン、可愛い…千尋」
腰に回されていた手が、背のラインをなぞり臀部へと下りていく。
唇が離れる頃には、すっかり千尋の身体からは力が抜けていた。
(さ、千尋。次はどうして欲しい?)
(っ、夏野の意地悪!だけどそんな夏野も好き…)
end...
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藤宮家-小話]-
バカップルが書きたくなり出来上がった話。
義兄と義弟の同棲生活の一幕を小話として配信。
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