限定(京介×圭志)


ギッと負荷の掛かったベッドに意識が浮上する。
ゆっくり押し上げた瞼の先に淡い桃色に染まった頬が見える。
唇に触れる吐息は熱く…甘い。

「きょうすけ…」

シャツに掛けられた指先がするするとボタンを外していき、露になった胸元に唇が押し付けられる。

「…ンッ…ン」

ちゅぅと可愛らしいリップ音を立てて綺麗に咲いた赤い華を、…ボタンを外した指先が愛しげになぞる。

「んっ…きょー…」

ふっと花が綻ぶ様に笑った唇が頬に寄せられ、肌の上を滑ったかと思えばカジリと耳を噛む。

「っ、…圭志、お前…相当酔ってるな」

眠っていた所へ覆い被さってきた圭志からは甘い匂いに加え、アルコールの匂いが漂っていた。
ちらりと動いた京介の視界の端で、目元を赤く染めた圭志がゆるりと笑う。

「そう、かもな」

そうして胸に触れていた指先が肌の上を滑り、臍から下へおりていくのを京介は圭志の腕を掴み、ぐるりと位置を入れ換え止めさせた。
波打つシーツに圭志の手を縫い付け見下ろせば、きょとんと無防備な顔が覗く。その反応に京介は小さく息を溢して手を離すと、アルコールで僅かに体温の上がった圭志の身を腕の中に引き寄せた。

「やっぱりお前酔ってるな」

「ん〜…」

引き寄せられた事で近付いた京介の肩口に圭志は頭を押し付け、動かなくなったかと思えばその唇から気持ち良さそうな寝息が溢れ始める。

「おい、圭志?…ったく、しょうがねぇなぁ」

抱き締めた事で更にぴったりくっついてくる圭志に、はだけられたシャツを直すことも出来ない。
けれど京介は気にすること無く圭志の腰に回した腕を緩めると、寝やすい様に少しだけ体の向きを変えた。
そして、ほんのり色付く目元へ唇を寄せて京介も瞼を閉じた。

翌朝驚くだろう圭志の顔を思い浮かべながら。


end.


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