三者三様03(小話詰め合せ)

・宗太×皐月



エプロンをして、手にはミトン。

「もうすぐ出来ますから皐月はそこのお皿運んでくれますか?」

そわそわとどこか落ち着かない気持ちでキッチンにいた皐月は宗太に言われてお皿を二枚運ぶ。
そんな皐月の後ろ姿に、宗太はくすりと笑みを溢した。

「さぁ、出来ましたよ」

リビングのテーブルの上にはフライドポテトにサラダ、コンソメスープにキッシュとクリスマスの定番料理が並ぶ。
その中央に焼き立ての七面鳥が置かれた。

「わぁ!凄いですね!!」

瞳を輝かせ喜ぶ皐月に宗太も自然と笑みを浮かべる。

「食べる時は言って下さい。私が切り分けてとりますから」

向かい合って椅子に座り、ジュースを注いだグラスをカチリと合わせた。

「ん。美味しい〜!先輩、すっごく美味しいです」

「そう、良かった。どんどん食べて下さいね」

うんと頷き返して皐月は頬を染める。
そして、目の前にいる優しくて大好きな先輩を見つめた。

「どうしました皐月?」

料理をお皿にとっていた宗太は皐月の視線に気付き、首を傾げる。

やっぱり僕、先輩が好きだな。
些細なことかも知れないが改めて実感した気持ちが皐月の口からぽろりと落ちる。

「宗太先輩…。僕、先輩が大好きです」

いきなりの告白に宗太は驚き、けれどもすぐにその想いに応える様に優しく微笑む。

「うん、私も皐月が大好きですよ」

「…は、いっ」

二人きりのクリスマス。
ゆっくりと想いを重ねて時間は過ぎていった。

-Merry Christmas!!-



end.


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