三者三様(小話詰め合せ)

2009クリスマス企画

・京介×圭志



何気なく付けたテレビからクリスマスソングが流れ出した。

そういや今日クリスマスか。寮にいると日付とかまったく気にしないから気付かなかったぜ。

圭志はふとそんな事を考え、隣に座る京介を見た。

「なぁ京介、何か欲しいものってあるか?」

唐突な問いに京介はテレビから視線を隣に移し、圭志の腰に回していた腕を引くと顔を近付けて答えた。

「お前」

「…それ以外でだ」

「それ以外か、そういうお前は何が欲しいんだ?」

逆に聞き返されてしまい、圭志は黙る。

「そうだな…」

欲しいものは自分で手に入れるタイプの圭志は京介の答えと大差無い事しか思い付かない。

「俺もお前しかねぇな」

「だろ?」

そう言った圭志に京介は満足げに笑い、口付ける。

「っん……」

触れるだけの戯れる様な唇がゆっくりと離れ、圭志は京介の肩にもたれ掛かる。

「貰い物のシャンパン、…たしか残ってたよな?」

「あぁ」

凭れてきた圭志の頭を抱くように右手を回し、髪をすく。
こめかみにも唇を落として、京介は囁くように答えた。

「折角だし後で開けるか」

頭を起こし、圭志は京介の頬に唇を寄せながら頷く。

「そうだな」

再び視線を絡ませて、二人は唇を重ねた。

すぐ側では流行りのクリスマスソングが流れていた。

-Merry Christmas!!-



end.


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