02
その間にも京介の手は圭志の肌を滑り、バックルに添えられ外される。
「…んんっ…はぁ…ぁ」
顎を掴まれ、上向かされたと思ったら噛みつくようなキスをされ、同時に中心に刺激を与えられる。
「んぁ…ぁ…っぁ…」
与えられる快感に、圭志は頬を紅潮させ息を乱れさせる。
その変化に京介は満足気に口端を吊り上げて、瞳を細めた。
「その顔すっげぇソソる」
見下ろしてくる京介の瞳が欲という名の熱を孕んでいるのに気付き、圭志の背にぞくりとした震えが走る。
「―っ、あ…はぁ…ぁ…」
下着ごとズボンを下ろされ、立ち上がり蜜を溢し始めた圭志のモノが外気に晒される。
「んっ、く…はぁ…ぅ…」
それに京介の指が絡められ上下に抜かれる。
「…ぁっ…ぁ、きょ…すけっ」
圭志は京介の後頭部に指を差し入れ、自分から口付ける。
「ん…んんっ…ぁ…ん、んんっ――」
徐々に動きを速める京介の手の動きと深い口付けに圭志の中心が京介の手の中で弾けた。
「…はぁ…はぁ…んっ…」
唇を離せば二人を繋ぐようにツーッと銀糸ができる。
圭志がイった後の気だるい感覚に身を委ね、呼吸を整えている間に京介は圭志の秘所に指を持っていく。
その手に圭志の吐き出した欲を絡め、ツプリと指を挿入した。
「うっ……」
苦しいのか圭志の眉が寄せられる。
「圭志」
京介は気をまぎらわせるように圭志の額や瞼、頬と順にキスを落としていく。
「…ぅ…はぁ…ぁ…」
時間を掛けて解かしたそこはいつしか京介の指を呑み込み、圭志の顔からは苦痛の色が消え去っていた。
それを確認すると京介は指を引き抜き、自身を取り出すと圭志の秘所にあてがう。
「力抜いてろ」
そう言って京介は腰を押し進めた。
「―ぅ、はぁ…くっ…んっ…」
圭志の瞳から生理的に込み上げてきた雫が溢れ落ちた。
京介は圭志のモノに手を添え、刺激してやりながら溢れ落ちる涙を舌で舐めとってやる。
「あぁ…きょ…すけ…」
「っ、はぁ…」
自身を圭志の中に埋め込み、直ぐにでも暴れだしそうになる衝動を圭志が慣れるまで待っていれば、圭志が京介の名を呼び腕を伸ばしてくる。
「もっ、いいぜ…はぁ…動けよっ」
圭志の唇から次の行為を求める言葉が発せられ、京介は肩を震わせて笑った。
その僅かな振動でさえ感じたのか圭志があっ、と声を上げた。
「くくっ、そういう強気なとこ好きだぜ」
ぐっ、と腰を動かし始める。
「…ぁ、ん…ふっ…そこ…だけか、よっ」
圭志は京介を下から潤んだ瞳で睨みつけた。
その強い視線を感じて京介のモノがドクリ、と脈打つ。
「そんなワケねぇだろ、はっ…」
腰を引く度に圭志の中が逃がすまいと絡み付きキュッと締め付けてくる。
その快楽に酔ってしまいそうになる自身を、額に汗を浮かべ眉を寄せて堪え、再び圭志の中に打ち付ける。
「ぁ…っ、はぁ…ん…」
何度も何度も寄せては返す快楽の波に、圭志の理性は溶かされていく。
「…っ、圭志」
お互いの限界が近付き、背に腕を回してくる圭志の耳元に唇を寄せ、京介は熱っぽい声で想いを流し込んだ。
「……愛してるぜ」
そして、自身をギリギリまで引き抜く。
「…ぁ、んっ…きょすけ、俺も…愛してる」
フワリととろけそうな笑みを京介に向け、圭志は最奥まで京介を受け入れた。
「…ぁあ…ぁっ…ぁ、ああ―――」
「――くっ」
圭志が欲を放つと同時に圭志の中で京介の熱が弾けた。
ジワリと中で広がる熱い熱にフルリと体を震わせ、ほぅと熱い息を吐き出す。
「…んっ…はぁ…はぁ…」
「はぁ…、圭志…」
京介は優しく微笑み、肩で息をする圭志を抱き締めると、汗で張り付いてしまった圭志の前髪を払いキスを落とす。
「…んっ…京介…」
唇にキスが欲しいと舌を差し出せばたがうことなく唇を重ねられた。
「…っ…んっ…んんっ」
◇◆◇
「…ぅ、…んっ…」
サラリと髪を梳かれる感触を感じてうっすらと瞼を開く。
ぼんやりとした視界に紫色を捉え圭志は手を伸ばした。
「きょーすけ?」
その手を掴み、自分の背に回させると京介は圭志の顔を覗き込んだ。
「圭志」
「…ん」
何度か瞬きを繰り返せば、しだいに視界がクリアになっていく。
そして、一番始めに見たものは優しげに細められた紫がかった黒い瞳だった。
「京介…」
「起きたか?」
自分だけに向けられる優しい笑顔に圭志もフワリと笑い返して、京介の背に回されていた手に力を込めた。
「あったけぇ」
「まだ寝惚けてんのか?」
胸に頬を擦り寄せてくる圭志に京介は呆れた顔をしながらも、どこか嬉しそうに胸の中に圭志を引き寄せた。
「京介…、ずっと側にいろよ」
「お前が嫌だっていっても離さねぇよ」
降ってくる力強い声音に圭志は口元に小さく笑みを乗せて、胸から顔を上げる。
「俺様京介」
「何とでも言え。ただ、俺はお前を手放す気はこれっぽっちもねぇからな」
顎に手を掛けられ、顔が近付く。
圭志はソッと瞼を下ろし、想いを口にした。
「俺も京介から離れる気はないぜ」
それでいい、と呟いた声は唇の中に消えた。
いつしか窓の外では朝から降っていた雨が上がり、薄雲から暖かな光が射し込んでいた。
END.
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