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〔武田軍:子孫、熱血編〕


翌日、朝から湊と幸村は顔を合わせていた。

それも昨日言っていたような話を聞く、とは程遠い意味で。

「では行くぞ、湊殿!」

「はいっ!」

湊と幸村の手には朱塗りの槍が二本。

「おりゃぁー!!」

「はぁっー!!」

ガァン、と槍同士が激しくぶつかり合う。

それを二人の忍が濡れ縁に腰かけて眺めていた。

「旦那ってば張り切っちゃってまぁ。余程、湊の旦那が気に入ったのか」

「うちの旦那もいつになく張り切ってるよ。昨日なんて寝るまで幸村様がってうるさくて…」

ふぁっ、と出てきた欠伸を噛み殺し、目尻に溜まった涙を指先で払い泉ははふりと息を吐く。

ただでさえ違う場所で俺は気を張ってるっていうのに。

「眠そうだね。寝れなかった?」

隣に座る佐助が泉を見て言う。

「んー、一応寝ましたよ。俺ってば枕換わると寝れないんで」

佐助様も一睡もしてないはずなのに眠くないのかよ。

意識を湊に戻せば、どうやら鍛練は終わったみたいだった。

「泉ー!見てたか?俺、幸村様に褒められた!」

嬉しそうに駆け寄ってくる湊の笑顔に、泉は旦那が笑ってられるなら俺の苦労も報われるってね。と心の内で呟き、フッと笑みを浮かべた。



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