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〔瀬戸内:子孫、出会い編〕


左目を布で覆った、上半身裸の銀髪兄さんとその部下と思われる数名の人に船の上へと引き上げられた。

「いやぁ、何処の誰か知らないが助かった。ありがと兄さん」

湊は銀髪の兄さんに笑顔を向けて感謝した。

「フン、貴様のせいで酷い目にあった」

「泉!」

御礼も言わずそっぽを向いた泉に湊が非難の声を上げる。

すると何故か湊の前にいた銀髪の兄さんはブッと噴き出し笑った。

「はははっ…いや、悪い。なんかソイツ知り合いに似ててよ」

「泉に似てる?止めてくれ。こんな奴が二人もいたら大変だよ」

湊は泉を二人思い浮かべて嫌な顔をした。

「ところでお前等、何で海のど真中なんかにいたんだ?」

「えっと…」

自分でも分からない事をどう説明しようか湊が悩んでいると棘を含んだ声が隣から口を挟んだ。

「貴様には関係無い」

「あ、あの!泉に悪気は、…たぶん無いんです。すいません。えぇっと…」

泉の毒舌に湊が慌てて弁解し、銀髪の兄さんを見上げる。

怒らせたか?

だが、謝ろうにも相手の名前が分からず言葉が途切れる。

「言ったろ、俺の知り合いに似たような奴がいるって。気にしちゃいねぇよ。それと俺は長曾我部 元親だ」

「………え?」

湊は目を丸くして驚いた。



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