勘右衛門の発した衝撃的な言葉に、たっぷり数秒間を空けた後、私と兵助は『「はぁ?」』と間抜けな声を発した。
どうやら兵助もその事は知らなかったらしい。
『なんだ?また乱太郎達が拾ってきたのか?』
「いや、なんでも先輩達の目の前で空から降ってきたんだって!」
『ふーん…それで天女か。』
兵助が何か言おうと口を開いた時、同時にどこからともなく松千代先生の声が響いた。
どうやらこれから緊急集会を行うらしい。
『…天女様のことだろうな。』
「たぶんな。」
「早く行こ!早く見てみたいしさ。」
勘右衛門が早く早く!と促してくる。
待て待て、
『とりあえず私は着替えたいのだが。』
「着替えれば?」
「別に着替えればいいじゃん。」
平然と言ってのけるコイツらに眩暈がした。
『お前ら私が女だってこと忘れてないか?』
「「そーでしたね。」」
『思い出したならさっさと出てけ!』
ポイポイっと二人を部屋から追い出して急いで制服に着替える。
藍色に身を包み、髪を結えば完成。
…そう、私は女の身でありながら忍たまとして生活しているのだ。
『待たせたな。』
部屋から出れば勘右衛門と兵助が座って待っていてくれた。
二人の頭を撫でつつ言えば二人はニッコリと笑みを浮かべた。
「いつも通り早かったね。」
「女と思えない速さだな。」
『まぁ女捨てかけてるからな。』
誇らしげに言えば「「それはちょっと…。」」と、何とも言えない返事が返ってきた。
…なんだよ。
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