『あまり驕るなよ、馬鹿らしい。』





私の口から出た、その蔑みの色を纏う言葉は、思いの外部屋に響いた。





「なんだと?!」

『“資格が無い”など、馬鹿らしい。神にでもなったつもりか。』





忌ま忌まし気に吐き出す。
何故、私のことをコイツに決められなければいけないのか。
あぁ、吐き気がする。





『…おばちゃん、やっぱり私はいいや。食欲無くなった。』





“騒いでごめんね”と小さく謝って七松先輩の横を通り過ぎて食堂を出る。
否、出ようとした。
七松先輩に腕を掴まれたのだ。
ギリギリと力の限り握られる。





『…何ですか。まだ何か用でも?』

「お前っ…!」

『失礼。これ以上叫ぶな、周りの迷惑を考えろ。…放せよ。』





キッと睨みつけながら腕を乱暴に振りほどく。
と、同時に拳が飛んできたので間一髪避けて天井に逃げた。
正直、この天井まで追い掛けて来るかは賭けだった。
追い掛けられれば、間違いなくタコ殴りに遭うだろう。
こんな狭い天井裏だ、反撃は出来ないと考えて良い。
だが下を行くとなると、沢山の生徒の間を行く事になる。
となると、敵地に一人で正面切って乗り込むようなものだ。
それだけは避けたかった。
(本当、七松先輩追って来なくて良かった。)




 



 


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