次に出会ったのは三郎だったかな。
あいつ、一年生の頃から変装が上手かったんだよ。





ある日、普通に歩いていたらいきなりくのたまの子に呼び止められてさ。
なんだか凄い怒ってて、話を聞いたら私がその子に悪戯したみたいなんだ。
勿論、私には全く身に覚えがない。
そんなことがそれから何回もあって…そんな時、三郎の噂を聞いたんだ。



普段は友人の顔を借りて生活している、凄く変装の上手い一年生がいるらしい。



そんな言葉だけで決め付けるのは…とは思ったが、次の一言で確信した。



でもそいつ、かなりの悪戯好きで問題児なんだってさ。



それから私はその噂をしていた先輩に聞いて、犯人が“鉢屋三郎”なんだってことを知った。
ひたすら校内を歩いて捜してさ…あの時の私は般若のようだった、って八左ヱ門が言ってたよ。



でもどんなに捜しても見つからなくて、ついに夕方になってしまった。
人に聞けば良かったんだが、少し意地になっていてな。
どうしても自分の力で見つけ出したかったんだ。





悔しくて悔しくて、走りつづけて足も疲れてて、なんだか涙も出てきて。
しゃがみこんでたら、声をかけられたんだ。
大丈夫?って。
パッと顔を上げたらそこに凄い心配そうな顔があってさ、反射的に大丈夫って答えて。
なら良かったって立ち去ろうとするその子の手を掴んで、言ってやったさ。
お前が鉢屋三郎なんだろう?ってな。



なんで分かったって…アイツ、大丈夫?って言った時、目は笑ってたんだよな。
目は口程にものを言うってことだ。




 


 
 
 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -