君じゃなきゃダメ

※『午前2時の約束』の番外編
大学生と社会人エルヴィン(変態)


ガシャーンとグラスが落ちて割れる。
グラスの持ち主だった新入社員が椅子から転がり落ちた瞬間、ハンジの笑い声が居酒屋に響いた。

「ぎゃはははは!エルヴィン、天才だ!」
「黙れクソ眼鏡。オイ、新入り。死にたくなけりゃ今は口を慎んだ方が良い」
「俺はあの子が良いんだよ!!」
「エルヴィンもわかったから黙れ」

エルヴィンの表情は至って笑顔だが、言動と行動は一致してなかった。ヒートアップしてからハンジの笑いはもう止まらないし、リヴァイだけが周りの視線をひしひしと感じていた。

「で?エルヴィン!どうして君は大事なあの子が好きなんだい!?このハンジさんに言ってご覧!」
「オイ、ハンジ、辞めろ。今コイツに喋らすな」
「聞きたいかい?」

エルヴィンはにっこりと笑った。普段会社でこんなに嬉しそうに笑う事など無い。嫌な予感しかしなくて今だけはエルヴィンの事を知らない奴の振りをしようとリヴァイは心に決めた。

「聞きたいなら仕方がないなまあもうこの時間だから言うけど普段もかわいいんだけどセックスする時なんか本当にかわいいんださっき新入りは世の中巨乳だろとか言ったけどね胸もまあ大事だけどそんなの関係ないくらい愛おしいから気にならないね始めはすごく恥ずかしがって嫌がるんだけど結局俺をすんなり受け入れる所とか堪らないんだというか最近はむしろどんな色気のある女性に誘惑されてもあの子じゃないと勃たない自信があるああ早く帰りたいハグしてキスしたい」
「あっははははは!ウケる!誰もそこまで言えとは言って無いよぉ!!しかも、た、勃たないとか!!どんだけだよエルヴィン!!ひー!!面白過ぎる!!」


机の上に伏せったエルヴィンから、早く帰りたいハグしたいと、ぼやく声が聞こえてきて、帰りたいのはこっちの方だと、リヴァイはこの酔っ払い達をどう連れて帰るか考えながらグラスを口に運んだ。

20131007~1123

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