monopoly

「ナマエ、おいで」
「?なんですか、団長」

前回からの壁外調査も一段落つき、次の調査への束の間の休息、とでも言うのだろうか。相変わらず忙しいが、夜にゆっくり寝る時間を取れるようになっただけマシだ。エルヴィンは同じ執務室で仕事をしていたナマエを彼が座っていたソファの横に座らせた。

小さく座った彼女を、さながら小動物みたいだとハンジが撫で回しているのは日常茶飯事で、彼女が嫌がりながら自分に助けを求めてくるのもまた同じだった。

エルヴィンはポケットを探ってナマエに言った。

「後ろを向いてごらん。」
「…はい、」

エルヴィンは彼女を後ろから抱きしめるように両腕を回した。

「これ…」
「ハンジと内地に行った時にね。ナマエに買ったらどうだと言われて」

ナマエは首に下げられたネックレスを覗き込んだ。チェーンが短いのであまり見えないがピンクゴールドのチェーンにダイヤが付いたシンプルなネックレスだった。

「ありがとうございます…」
「迷惑だったか?」

呆然とした様に礼を言うナマエは違います、嬉しいです、と言った。

「前、同期の女の子から女性にアクセサリーをあげる男性は恋愛上手だって聞いたんです。あと、ネックレスは首輪の代わりだって、」

あたしはエルヴィン団長の何番目の女ですか、と落ち込みながら言ったナマエはやっぱり小動物みたいだ。

「今は君だけなんだ。それに私だってナマエの何番目の男だい?」
「は、はじめて付き合った男の人ですよ…!知ってるくせに、ひどい!」
「私も、ネックレスを女性にプレゼントしたのは初めてだよ」
「そうなんですか?」

ナマエはそのアーモンド型の目をエルヴィンに向ける。ああ、ただ…

「確かに、ナマエは首輪でもしておいた方が良いかもしれないな。」

エルヴィンは首が締まらない程度にネックレスに指を掛け自分の方へ引っ張った。
彼はナマエの唇に口づけると耳朶、首筋、そしてナマエの手を取り手首、指へと次々と口づけた。

「ふふっ、くすぐったい」
「次は痕を付けてあげようか?」
「い、いやっ、いいです!いいですってば!それでこの間ハンジさんにからかわられたばっかりなんですから!」
「別にナマエだって付けてくれて構わないんだが」
「できないです…」


ネックレスとキスだけで彼女を繋ぎ止めておけるのなら安いものだ。


エルヴィンがハンジから聞いた男性がアクセサリーを女性にプレゼントする意味は名前が言ったものとは少し違っていた。


それは、君を独占するための

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