伊武×葵



「えっと、僕、千葉県の六角中1年、葵剣太郎って言いまーす…よろしくお願いしまーす」
「……東京の不動峰中2年。伊武深司」
「今日はー、僕たち二人で対談なんですけど…」
「…はぁ。なんでこんな知らない奴と対談しなきゃいけないんだろう」
「おっと、伊武さん飛ばしますね」
「…飛ばすとか意味不明だし。ていうか1年のくせに部長やってんでしょアンタ。生意気だよなぁ…」
「あー…えっとー……まぁ、生意気に見えても仕方がないとは、思ってますけど…」
「だいたいさぁ、噂で聞いたけどアンタ、モテたいらしいじゃん」
「あ、はい。モテたいです!」
「…そこ、あんまり元気に答えるところじゃないと思うんだけど」
「そうですか?」
「…とにかくさ、モテたいなら坊主やめれば?」
「…………へっ?」
「アキラが言ってたんだけど、坊主ってあんまり女子に受けないらしいよ」
「そ、そうなんですかっ…!?」
「別に調査とかしたわけじゃないから知らないけど、でも俺も坊主は嫌だな」
「ええええーっ!!坊主頭のほうが、みんな可愛い可愛いって言ってくれるし…!!」
「なにアンタ。可愛い系目指してんの?ていうかウルサイからボリューム落としてくれないかな」
「あっ、ごめんなさい。僕興奮するとすぐ大声になっちゃって…いや、とにかく!バネさんとかサエさんとかっ、坊主頭は可愛いなっていっつも褒めてくれるし…!」
「…アンタの言ってるバネさんとかサエさんって…男だろ」
「え、あ……うん」
「女子と男子で感覚が同じだとでも思ってんの?」
「………!!」
「…うわ、今気づいたって顔してる。本当にこんな1年が部長でいいのかなぁ…生意気だよなぁ…1年はもっと苦労すべきだろ……青学の越前リョーマといい、本当に最近の1年って生意気だよなぁ…早く誰か強い先輩に叩きのめされればいいのに」
「わわわわ、伊武さん伊武さん、ボヤキが口がらダダ漏れてますよ!」
「…は?何言ってんの?ダダ漏れてるわけじゃないし。ダダ漏らしてんだけど」
「わざとですか…!」
「相手に聞こえてようと聞こえてなかろうと関係ないけどさ。言わずにはいられないだろ、どう考えても」
「そ、そうなんだ……でも、今日はいいこと教えてもらえました。ありがとうございます!」
「…別に常識的に考えればわかることだと思うんだけどなぁ…こんなのが部長なんて、来年の六角終わったな。かわいそうに」
「……相変わらずダダ漏らしてますね伊武さん…。でも、僕も伊武さんみたいにサラッサラの長髪になればモテモテ…!」
「言っとくけど」
「……はいっ?」
「長髪だからモテるとは限らないからね」
「…そうなんですか?」
「…実際、俺モテてないし」
「そんなのわかんないじゃないですか。恋心っていうのは秘めるものなんですよ?きっと伊武さんのことを想ってる人だっていますよ!」
「……え、なんだこれ。俺1年に励まされてんの?最悪……やっぱ最近の1年って生意気だよな…ぶっ潰そ…」
 ガタッ
「あっ!伊武さん!もう行っちゃうんですか?」
「…当たり前じゃん。別にアンタと話すことなんかないし。早く戻ってラリーの続きやりたいんだよね」
「そうですか!それじゃあ、また今度会う時は試合かもしれませんねっ!」
「…だったら何。アンタと当たっても俺負けないけど」
「ふふふ。僕も伊武さんに負けないように頑張りますから覚悟しといてくださいよ!テニスでもそうですけど、ギャラリーいっぱい引き連れてきますからね!」
「…そっちの勝負なの?本っ当やんなるよなぁ…次会ったらぶっ潰すから。じゃ」

 ドアが閉まる直前、風に揺れた伊武の髪を見ながら剣太郎は大きく頷いたのだった。





























***

いや、ミュで剣太郎役だった川原くんの髪が伸びた時(ドリライ7参照)があまりにもかわいくって…!



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