跡部×柳生





「あーん?なんで俺様の相手がお前なんだ」
「おや、それはこちらの台詞ですよ。なぜ私が、跡部くんと」
「なんだ、文句があんのか」
「いいえ。ありませんが」
「チッ……よりにもよって"紳士"が俺と対談とはな」
「フフフ…お目にかかれて光栄ですよ?」
「黙れ」
「黙ってしまっては対談になりませんよ」
「ったく…調子狂うぜ」
「そうでしょうか?」
「柳生、お前本当は仁王だったりしねーだろーな」
「おやおや。仁王くんなら"腹減ったなりー"と言いながら空腹をごまかすために仮眠を取りに行きましたが」
「…そんな理由で寝んのか…」
「ええ、そういう方ですよ仁王くんは」
「ところでお前は本物のメガネなのか?」
「………え?」
「…ああ、いや。ダテメガネのやつがいつも近くにいるからな」
「忍足くんのことですね」
「あの野郎、メガネが似合うと自分で言ってかけてるんだが、別にメガネなんてわざわざダテでかける必要ねーだろ」
「それもそうですねぇ…手塚くんあたりが憤慨しそうですね」
「ああ、憤慨してやがったぜ。メガネはファッションでかけるものではないんだとよ」
「フフ、手塚くんらしいですね」
「…そういや仁王のやつ、手塚にも化けてやがったな」
「ええ、イリュージョンのことですね?」
「あの野郎…完璧に真似できていないにしても、あそこまでやれるとは相当の実力を持ってるようだな」
「そうですね。我が立海テニス部のレギュラーともなれば、技術が劣っているはずはありませんよ」
「えらく自信があるようじゃねーの」
「ええ、ありますよ。しかし跡部くんこそ、ご自身に自信はおありなんでしょう?」
「当たり前だろ?自信もねーような逃げ腰の人間は上に立つべきじゃねぇからな」
「フフフ…さすが200人もの部員を束ねるだけのことはありますね」
「……ったく、なぜかお前の笑い方は癪に障るな」
「褒め言葉として受け取っておきます」
「チッ…そういうところが尚更だ」
「フフ……おや、もう行かれるのですか?」
「ああ。少し話してみてわかった。お前と話すことは何もねー」
「そうですか、残念ですねぇ」
「…その心底残念そうな顔も信じられねーな」
「フフフ…」
「ったく、この俺様がお前らの変装やらイリュージョンに惑わされるとはな。今度はコートでみっちり話聞いてやるよ。この俺様が直々にな」
「それはそれは。楽しみにしておきますよ」
「…じゃあな」

 じろりと柳生を見てからドアを開けて去って行った跡部の姿を見て、柳生の口は弧を描いていたという。























***

あの跡部が仁王に戸惑っているという(笑)いや、きっとインサイト使えば一発で分かるだろうけども。



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