木手×小春





「………」
「イヤーン、そんなに睨んじゃ、イ・ヤ」
「………」
「んー、中学生とは思えない色気ね、木手くん」
「…ふざけているのですか?」
「あらら、怒った顔もステキ!」
「キミは本当にテニス部の人間なのですか?だとしたら俺はキミを断固として認めませんよ」
「んふふ、アタシのこと知らないの?木手くん」
「…知りたくもありませんが一応聞いておきましょう。キミは誰ですか」
「あらやだー、本当に知らないの?大阪の四天宝寺中のお笑いダブルスといえばアタシとユウくんに決まってるじゃなーい」
「それで?キミの名前を聞きたいのですが?」
「うほっ!木手くんのほうから聞いてくれるなんて!アタシは金色こ・は・る」
「名前までそっち系なのですね」
「感心してくれた?」
「いえ、呆れました」
「いやーん、クールなところが男らしさを感じさせるわ!」
「それでキミは、一体なにをしにここへ?」
「あら、対談しに来たんじゃない。木手くんと対談」
「キミとはまともに話が出来るとは思えませんがね」
「いやだ、そんなこと言わないでお話しましょうよ〜」
「……はあ」
「溜め息をついてもいい男ねっ」
「とにかくその口調やめてもらえませんかね。無駄に腹が立ちます」
「あーん、そんなこと言わないでー」
「甘えても無駄です」
「いーやー」
「無駄です」
「木手くーん、アタシに愛の特訓して?」
「愛の特訓って何ですか。それよりも金色クン」
「きゃっ名前呼んでくれたわっ!」
「あの窓の外にいる彼は…ユウくんとやらですか?」
「え?……あらやだユウくん、窓に貼り付いて何してるのかしら」
「なにかものすごく怒っているようですよ」
「んんん〜、一氏はホンマにうざいもんやわ…」
「え?今なにか言いました?」
「んーん、なんでもないのよ〜。それよりも木手くん、愛の特訓を…」
 バターン!
「小春ー!浮気か!」
「ほら、やっぱり彼怒ってますよ。早めに仲直りしたほうがいいんじゃないですか?」
「あっ、待って木手くんどこ行くの!」
「どこって、俺はそろそろ失礼させてもらいますよ。なんのための対談なのか、目的も意味も不明ですからね」
「いやーん、愛の特訓が終わってないわよー」
「せやから小春!浮気かて!」
「やかましいわ一氏!」

 騒がしい二人を振り返ることもなく、木手はそのままパタリとドアを閉めたのだった。
























***

結局ユウジの乱入オチ。よくあるよくある。



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