謙也×神尾





「あーあ…先に対談してた二人を追い出すなんて」
「ええんや。侑士は何考えとんのかわからんからな、不二を助けてやろう思うて早く切り上げさせただけや」
「そうですか…」
「ああ。せや神尾」
「なんですか?」
「お前まだ2年生やったな」
「そうですけど、それが何か」
「ふーん…2年生でその速さか…そか…」
「……何が言いたいんですか?」
「おおっと、そんなにイライラしなや。まだ2年生やっちゅーことは、これから大変な時期を迎えることになるで」
「はい?」
「俺らってまだ成長の盛りやろ。俺はだいぶ自分の身体の扱いに慣れてきたもんやけど、お前まだ身長そんな高ないし…これから更に伸びる可能性やって十分にあるやろ」
「そうッスね」
「ええか、そしたらな…身体の成長に、自分がついてけへんようになるんやで」
「え?自分の成長に、自分がついていけなくなるんですか?」
「せや。それまでの走るフォームが、突然狂ってくるんや。目に見えるほどタイムが落ちる。成長に合わせて、そのつど対策を練っとかんとダメや」
「微調整していかないと、それまでのフォームのままではダメだってことか…」
「でもそれは走りを意識する者にとって大きな分かれ道になる。なんでやと思う?」
「…わかんないッス。どういうことですか?」
「要するに、身体の成長についていけずに諦めてしまうやつと、逆に走りやすくなって更にスピードのあがるやつがおるっちゅーことや」
「なるほど。もし成長前よりもコツの掴みやすい身体が出来たとしたら…」
「それほどラッキーなことはないな!まぁ俺もどっちかっていうとそのタイプや」
「そうなんですか」
「おお。せやから神尾、」
「はい?」
「お前も諦めんなや。俺はお前に負ける気はないけど、俺の2番目くらいなら席空けといたるで」
「…ちっくしょう……言っときますけど、俺だって負ける気ないんで」
「おお。言うやないか。受けて立つわ」

 二人してガタンと立ち上がると、一目散にドアを開けて駆けていくのだった。
























***

もはや神尾は聴く音楽をトランス系にしたほうがいいのでは。もしくはヘビメタ、コアメタルで。



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