不二×侑士





「なんや不二、早いなぁ」
「忍足…遅かったんだね」
「なんやそこで謙也に会うてなぁ。言い合いしよったら遅れてもうてん。すまんかったなぁ」
「大阪の忍足くんか…ふふ、実は僕もさっきそこで裕太に会ってね。少しだけ話をしてきたんだ」
「ああ、聖ルドルフに通ってるっちゅー弟くんやんな」
「うん。相変わらずな様子で安心したよ」
「そか。したらここ座るで」
「ああ、どうぞ」
「…で、なんや対談って何話したらええんやろな」
「さぁ…とくに何を話すと決まってるわけじゃないからね」
「ああ、せや。そしたらひとつ、俺らに共通点あるでぇ」
「へぇ、なんだい?」
「まぁ自分で言うことやないとは思うんやけど…俺らって天才って呼ばれてるやんなぁ」
「そう呼ぶ人もいるみたいだね」
「なんでそう呼ばれるか、考えたことあるか?」
「……ないなぁ。あまり興味がなかったから」
「せやろ。俺も正直、他人が俺のことなんて言おうが興味あらへんかったし…」
「でもその様子じゃ、ちょっと考えてみたってことだろう?」
「そうなんや。ちょっとだけやねんけどな、考えてみたんや」
「どうだったんだい?」
「んー…それがわからへんのや。確かにいろいろ技はあるかもしれへんけど、別に俺らだけが使える技っちゅーわけでもあらへんやろ」
「そうだね…ひぐま落としなんかは、跡部でも使えるからね」
「まぁ確かに、その状況に合わせて技を使い分けたり、コート内の様子を見てボールをコントロールすることには長けとるかもしれんけど…」
「天才って、どういうことを言ってるのかわからないね」
「でもな、俺、天才とか言われるんあんまり好きやないねん」
「ふうん。それはどうして?」
「やって天才って言うたら、まるで努力をしてへんみたいな感じがするやろ」
「ああ、そうだね。僕もそういう意味では、天才と呼ばれるのは好きじゃないな」
「やろ?なんや俺らかて、努力して掴んだ技やっちゅーのに…」
「うん。天才という一言で片付けられてしまうのは悔しいな」
「せやんなぁ。まったく人聞き悪いわ」

 こんこん。

「はい」
「誰や?まだ対談中やで」
『対談中?お前らまだ話終わってへんのか』
「ん?」
「その声は謙也か」
『せや。次俺と神尾が対談やねん。はよしーや』
「そういえば大阪の忍足くんはセッカチだったね」
「しゃーないなぁ。まぁでも結局、天才っちゅー言葉があんまり好きじゃないのはお互い様というわけやな」
「ちょうど話の区切りだね」
「せやな。したら終わろか」

 ドアを開けると待ちに待った様子の謙也が立っていた。それを見て不二が少し吹き出すのを、忍足は横目で見たのだった。
























***

てきとー感が否めない。すまん。



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