財前×河村




「…俺、河村隆。今日はよろしくね、はは」
「こっちこそ、よろしゅうたのんますわ」
「………」
「………」
「(視線が痛い…)…えっと、財前くんはまだ2年生なんだよね?」
「そうっすね」
「すごいよね、2年生からレギュラーだなんて」
「まぁそうでもないっすわ。でも河村さんってあれですか?いつからレギュラーにならはったんです?」
「え、俺?俺は3年になってからだよ。それまではずっと体育ジャージで試合してたよ。ははは」
「青学のユニフォームはええっすけど、ジャージは正直ありきたりにダサいですもんね」
「そうだね。ちょっと恥ずかしかったな」
「………」
「…(会話が終わっちゃったなぁ…)」
「………」
「……えっと」
「…河村さん」
「んっ?な、なにかな?」
「全国んときは、すんませんっした」
「…え?全国?」
「俺、河村さんのこと、お荷物とか言いました。訂正しときます」
「あ、ああ、なんだ、気にしなくていいよ。確かに俺はお荷物同然だったし…」
「俺、あとからめっちゃ怒られたんすわ。お荷物みたいなやつがレギュラーとして試合に出るわけないし、ましてうちの銀さんに勝つわけあらへんって」
「………」
「お荷物、は言いすぎでした。すんません」
「あ、財前くんもう帰るの?」
「はい。もう河村さんには謝ったし、うちのテニス部頭おかしい人多いんで何やらかすかわからんのですわ」
「ははは…そうなんだ」
「ま、そういうことなんで俺は帰らせてもらいます。そんじゃ」
「あ、うん。またな」

 静かにドアを開けて出て行く財前の背中を見ながら、案外いい子なんだなと思った河村だった。


























***

あのあと謝ってたとしたら財前くんかわいすぎる。



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