白い城内に、幾つもの影が落ちている。光が照らせばさぞ神々しいだろうそこは、薄暗がりのせいで不気味な雰囲気を漂わせる。隼はコツコツと靴を鳴らしながら、一等影の濃い玉座へと向かった。
そこに堂々たる様子で座る白兎の前で膝をつき、無造作に置かれた彼の手をとる。そっとそこへ唇を落としても、白兎は表情一つ変えなかった。それに少し残念そうに眉根を下げて笑い、隼は立ち上がると胸に手を当てて恭しく頭を垂れる。
「君をまた救ってみせるよ、海」
白兎の王は固い表情のまま、じっと虚ろな目に隼を映していた。

目を閉じて小さく喘ぐように呼吸を繰り返す郁が、ベッドで眠っている。その傍らに膝をついて寄り添い、涙は普段より熱い郁の手を握りしめた。
ぞわり、ぞわり、と郁の枕元へ立てかけられた剣から闇色の蔦が伸びて、郁の四肢へ絡んでいく。涙が一つ瞬きすると、それは視界から形を潜めた。
ギリリ、と歯を噛みしめ、郁の手を包む両手に力をこめる。それを額に当てて目を閉じれば、在りし日の想い出が脳裏に浮かんだ。
―――俺の力は、みんなを守るためのものだから
カラリとした郁の笑顔と、彼の言葉は、今でもしっかり覚えている。
(だからこそ)
「……今度は、僕が守るよ……いっくん」



Moon Rabbit In Wonderland〜二つの世界〜



コツ、とテラスの床を叩く足音に、恋の肩を支えていた駆は顔を上げた。
漆黒のドレスが翻る中、凛とした姿の美しい少女を筆頭に、六人の少女がそこに立っていた。緑や桃など鮮やかな色の和装を纏う彼女たちは、みな恋や駆と同じかそれ以下の年齢だろう。しかし凛とした姿の少女は駆を圧倒する堂々しさで、腰に手を当て立っている。
「情けない」
黒い髪を風に靡かせ、凛とした姿の少女は吐息交じりに言った。彼女の視線は真っ直ぐ、テラスの手摺に縋りつくように佇んだままの始に向けられている。
「黒兎の王よ、それでも天啓を受けた王ですか」
「……」
「大切な者を守れなかった無力を悔やむ暇など、あなたにはない筈です」
「雪」
さすがに言いすぎだと、桃色の髪を揺らした少女が、凛とした少女の袖を引く。凛とした少女は僅かに顔を顰める。凛とした少女の勢いに気圧されていた駆は、やっと我に返って睨みをきかせた。
「そ、そうですよ、いきなりやってきて……君たちは一体……」
「……月の巫女」
駆の問いの答は、彼の腕の中から聴こえた。まだふらつく頭に手をやって、恋はゆっくりと身体を起した。痛みが酷いのか、顔を顰める恋に、駆はあまり無理をするなと声をかける。
「……西の霊峰で信託を受ける巫女……その候補生たちだよ」
「あの噂の……」
葵は息を飲んで、マジマジと少女たちを見やった。
葵も話は聞いたことがある。月の力が宿るという霊峰で、黒田神の信託を聞き世に伝える巫女―――その次期後継者候補の少女たちのことは。
「お兄ちゃん」
先ほど、凛とした少女を諌めた桃色の髪の少女が、そっと恋の傍らに膝をつく。恋も顔を持ち上げ、痛み以外のものを耐えるような表情で、彼女の顔を見つめ返した。
「……愛」
知り合い、以上の関係なのだろう、先ほどの言葉から察するに。
駆は、彼に妹がいるなんて聞いたことがない。ツキリ、と針でつつかれたような胸の痛みに、駆は思わず胸元を握りしめた。

「花園雪と申します」
「如月愛です」
テラスから場所を移し、現在彼らが対峙するのは、王や宰相が客を招いたときに使用する客間だ。ソファの数は限られているので、座っているのは新と葵、向いには雪と愛が並んでいる―――始はそんな気分ではないと言い張り、一人窓辺に立って外を眺めている―――。
「如月家と花園家は、代々巫女候補として挙げられる家です」
女子は巫女候補、男子はその補佐。前王以前から続いている伝統だ。
「でも、恋は……」
ソファの後ろに立つ駆は、隣で顔を伏せたままの恋をちらりと一瞥した。
「お兄ちゃんは、お父さんたちと掛け合って、特別に」
現巫女候補たちの中から巫女が選別される年―――それまでの猶予で、恋は家がある霊峰を降りて町で自由に暮らすことを許された。
「アンタと同じようなもんよ、師走駆」
「……!」
雪と愛が座るソファの後ろに立っていたクリスが、挑むような視線を駆へ向ける。ピクリ、と兎耳を僅かに動かし、駆も鋭い視線を彼女へ返す。腕を組んだクリスは、もうそっぽを向いていた。
「……」
「で、その巫女候補さんたちがどうして……」
ムッツリ黙り込む駆からそっと視線を外して、葵は話を元に戻す。先ほどから目の合わない恋を心配そうに見やり、愛はコクと小さく頷いた。
「異変の気配を感じて伝えにきたのですが、遅かったみたいですね……」
「あの白兎たちについて、お前らは何か知っているのか」
さっぱり口を割らない陽たちは、手足をしっかり拘束して、部屋の隅に捕縛してある。新が彼らへ視線をくれると、陽は思い切り顔を顰めた。
「彼らは、この世界の裏側から来たのです」
「世界の、裏側……?」
それは、文字通り世界の裏側。異世界だ。そこには白兎王国という国があり、白兎の王と白兎の国民がいる。黒兎王国とは、言うなれば鏡写しのような関係だ。
「俺たちの、対……」
「そんな奴らが、どうして」
「全部、アイツのせいだ」
吐き捨てるように呟いたのは、それまで沈黙を貫いていた陽だ。傍らに並ぶ夜は何かを堪えるように口を真一文字に引き結んだまま、俯いている。
「アイツ……?」
「千年生きた魔王―――隼さ」
心底憎々し気に言ったくせに、陽の瞳は揺れている。何故、そんなにも頑なに何かを隠そうとするのだろう。意図の読めない陽たちの姿に、葵はキュッと眉を顰めた。
「……アイツは、突然現れた」
陽の語りは、そんな葵の心情など知らず、ゆっくりと部屋に響いた。

千年を生きた魔王―――そう自ら呼称する男、隼が現れたのは、まだ白兎の国に王が誕生する前のことだった。まだ一介の軍人であった白兎の王―――名を、海というらしい―――が、偶然出会った涙を庇って致命傷を負ったとき、彼を救ったのが隼だったのだ。
その後、彼は海に白兎の王となる使命を与え、涙に王子の役を与えた。彼は更に王城を造り、陽は隼の護衛に、夜は政を整える文官に、元々海の部下であった郁は涙の護衛になった。
自ら魔王と名乗るだけあって、隼は傍若無人と天衣無縫を絵に描いたような男であった。そんな彼に振り回されながら、陽も夜も郁も涙も海も、みんな笑っていた。誰しもが戦争を経験して、誰しもが辛い時を生きてきた。それを変えた隼の存在に感謝していたし、共に過ごす日々を心から楽しんでいた。
あのときまでは。
「何が、あった」
「……アイツは、俺たちをずっと騙していたんだ」
隼は、『死』を司る錫杖と『破滅の剣(デュランダル)』を持っていて、後者を郁に与えていた。ある日、その『デュランダル』が暴走し、郁の身体を蝕んだ。しかしその暴走は隼の想定の上であり、更に彼は錫杖の力を使って海に死の呪いをかけた。陽たちは二人の命を人質に取られ、彼の命ずるままに動いていただけだ。
「……その錫杖は、俺の持つ錫杖の対だろうな」
葵はハッとして、始を見やった。まだ外を眺める始は、こちらに背を向けたままだ。しかしそこからユラリと立ち上るオーラに、葵は背筋を泡立たせた。
「それで、対となる錫杖を手に入れて、アイツは何をするつもりなんだ」
「……俺たちは、その錫杖があれば郁と海の呪いが解けると聞かされていた」
その先は、何も知らない、ただの暇潰しなのやもしれぬ。陽はそう言って、これ以上は何も喋ることはないと、顔を背けた。彼の顔をじっと見つめ、新は軽く息を吐くと、ソファにドサリと凭れかかる。
「あの、涙とかいう王子は?」
「……涙は、俺たちよりも海さんやいっくんとの絆が深いんです」
だから、恐らく。はっきりとは言わず、夜もまた顔を伏せた。
「頼む……、涙たちを、助けてくれ……!」
俯いたまま掠れた声で吐き出された陽の懇願に、新はゆっくりと目を閉じた。微かに漂う不快な香りに、鼻を鳴らして。

「裏側の世界には、私たちの対も存在します」
霊峰は異世界と繋がる唯一の場所であり、故に雪たちは向こうの異変を知ることができたのだという。
「彼女たちの力を借りれば、あちら側へ渡ることは可能です」
ただし、と言葉を切って、雪は始を見やった。
「あなたはここに残って下さい、黒兎の王」
「……は?」
ぞわり、と駆の兎耳が逆立つ。静かな冷えた炎のような空気が、始から漏れて部屋へと充満し、千桜たちは怯えたように肩を震わせる。始はゆっくりと振り返った。
「……何故、お前が決める」
「王が国を空けるなど、あってはならないことです」
「……俺は行く」
「あなたが王でなかったとしても、今のあなたを行かせるわけにはいきません。みすみす死なせることになる」
「―――俺が弱いと?」
他の者が威圧感に呼吸すら止まりそうな中、雪だけが平然とした風に始の鋭すぎる視線を真っ向から受け止めていた。
「ええ」
「!」
「始さん!」
始が一歩踏み出し、葵は咄嗟に彼の名を呼んだ。雪も立ち上がり、始と同じ分だけ距離を詰める。
「……頭に血が昇った今のままでは、死にに行くものだと言っているんです」
先ほどまでの斬りこむような口調とは違い、諭すような幾分柔らかい声で雪は言った。
「落ち着いて、状況を見極めて下さい。あなたは、黒田神に選ばれた粉うかたなき黒兎の王なのですから」
「……」
始はそこで初めてつり上げたままの目をゆっくりと閉じ、大きく息を吐いた。身体を締め付ける威圧感が消え、駆たちも詰めていた息を吐く。次に現れた紫の瞳は、いつもと同じ、不器用な慈愛を湛えた色をしていた。
「……そうだな、すまない。雪」
「いいえ、始さん」
親戚の好です―――さらりと流された雪の言葉に、駆や葵だけでなく千桜や若葉までも絶句したのだった。

黒兎王国の西に位置する霊峰。その八合目に彼らが足をつけたのは、その翌日のことであった。ぽっかりと開いた洞窟は、巫女たちが信託を受けたり異世界の巫女たちと交信したりする場所だ。奥に進むへつれ深くなる、湖のような足場をしている。靴が濡れるのもさして気にせず、始たちはザブザブと水を蹴って進んだ。
洞窟の果てについても、水深は足首ほどまでしかなかった。壁面は薄く月色に輝いていて、先頭を歩く雪が触れるとその光は強さを増した。
始たちは目を細め、異世界への扉を見つめる。
「この先は、白兎王国の東に位置する向こうの巫女たちの霊峰へ繋がっています」
覚悟は良いかと、雪は振り返って目だけで問う。それに頷く前に、始はチラリと背後に並ぶ新たちを見やった。その中には、陽や夜の顔もある。二人たっての希望で、共に白兎の王宮へ向かうことになったのだ。
陽は最後まで、夜も同行することに反対していた。自分は「あの顔を一発ぶん殴らねぇと気が済まねぇ」と有無を言わさぬ様子だったくせに、だ。
「陽!」
「足が悪いくせに、無理するんじゃねぇよ!」
夜は唇を噛みしめ、咄嗟に引きずっていた右足に触れた。彼の足は、女性を庇った名誉の負傷らしい。しかしその大元の原因となったのは、どうやら陽であるようなのだ。
陽は、自他共に認める女好き。女の影がいつも絶えない、プレイボーイとして有名であるという。ある日、とある事情から別れた女性からしつこく付き纏われ、彼女から逃げようと街中を走り回った。まだ、交通整備なども万全ではない街である。陽の瞬発力についていけなくなった女性は、よろめいた拍子に馬車が横切ろうとする道へ出てしまった。その女性の手を引いて道を転がった夜は、道端にあった錆びた鉄柵に足を貫かれた―――夜は少し困ったように笑いながら、そんなことをポツポツと話した。
(俺と、新みたいだ)
その話を聞いたとき、葵はそう思って、欠伸を噛み殺す新をこっそり一瞥した。眼帯の下にあるだろう大きな傷を想像して、葵はそっと目を細める。
間接的に怪我を負わせてしまった負い目もあるのだろう、陽は譲らなかったが、夜も譲らなかった。
「俺たちの国の事情だよ、俺だけこんな平和なところでぬくぬくしているわけにはいかないだろう!」
「……だからだよ」
一瞬言葉を飲みこんだ陽は、顔をクッと顰めて吐き捨てる。夜はスッと勢いを殺し、やっぱり、とどこか悲し気に眉根を下げて呟いた。
「俺だけ、こっちの国に取り残す気だったんだろ」
「……」
「こっちは向こうより平和だもんね。陽が考えそうなことだよ」
「夜、俺は、」
「でも嫌だよ。俺だって、仲間なんだから」
ね?と笑って、夜は陽の頬をペチリと叩く。陽はまだ顔を顰めたまま、頬に触れるその手を握って、小さく頷いた。
あの後からかってやれば、陽は簡単にうろたえた。その時の彼の様子を思い出して弛む口元を耐えながら、新はチラリと右目を動かした。洞窟の中で傍らに立つ陽は、何処か遠くを見つめるように目を細めている。
「平和だな、この国は」
ポツリと彼は呟いた。
ここ最近目撃されていた白兎の正体は、やはり彼らであった。『生』を司る錫杖の在りかを探していたのだと。その途中で見た黒兎の国は、白兎の国とは比べものにならないほど、平和であった。
「俺たちの国は……いや、世界は争いばかりだ。俺たちはみんな戦争孤児で、兄弟とも戦火から逃れるうちに逸れた」
郁も涙も海も夜も陽も、みんなが、この国のような居場所を欲していた。いや、あのときまでは確かに手に入りかけていたのだ。なのに、それは砂の城であったように指からすり抜けて消えていった。
「……この国だって、みんながみんが平和で幸せってわけじゃねぇよ」
陽から視線を逸らし、新は剣の柄に腕をかけた。王制度が整って治安の改善は行われても、貧富の差は歴然としてある。春はその最たる被害者であるし、葵も新も裕福とは言い難い家で育った。
「『まだ』なんだ。これから、変わっていくんだ。始さんの下で」
そしてその傍らには、あの人が、春がいなくてはならないのだ。
それと同じように、自分の傍には恋がいてほしいと、駆は思っていた。同じ傍使えとして、気の置けない仲として。
愛から如月家の事情を聞いたとき、駆は咄嗟に嫌だと思った。いつか、恋が自分の傍らからいなくなってしまうなんて、そんなことは受け入れられない、と。サボテンのトゲが刺さるような痛みが先ほどから胸に広がって、駆にモヤモヤとした混乱を抱かせた。
隣に立つ恋を見やると、丁度彼もこちらを向いたところで、パチリと目が合った。薔薇を絞って作った色水のような瞳に、喉が渇くような心地がする。咄嗟に、駆は彼の名を呼んでいた。
「恋」
「何変な顔してんの、駆さん」
クスクスと笑う恋に、駆は頭に星でも叩きつけられたような心地になる。変に悩んでいた自分が馬鹿みたいだと、頬を膨らめて駆は頭を掻いた。
「……父さんたちは戻ってこいって言うけど、俺は、今の場所から離れたくないよ」
だから、大丈夫。
そっと耳に滑り込んだ言葉に、駆は慌てて恋を見やった。恋は柔らかく微笑んで、変な顔だと駆の頬を突く。カーっと恥ずかしさに顔が赤くなって、駆は思わず恋の帽子を掴んで彼の目を隠した。
「ちょ、ちょっと駆さん?!」
無理矢理帽子を引っ張られ、恋の耳と髪がぐちゃぐちゃと乱れる。駆は帽子から手を離し、今度は手で彼の目を覆うと、また彼の名を呼んだ。
「……恋」
声のトーンで何かを察したのか、恋は暴れるのを止める。手の平で隠し更に俯いているのに、駆には恋の真っ直ぐな視線が目に浮かぶ。
「……俺、恋に、秘密にしてることが、ある」
たどたどしい言葉を茶化すこともせず、恋は黙ったまま聞いていた。
「だから、帰ったら、……俺の話を、聞いてください」
恰好悪い。また恥ずかしさに顔が熱くなる。恋の目を隠していて良かったと、冷静な頭の片隅で思った。
「……駆さん、ちょっとそれ死亡フラグっぽくない?」
「え、うそ」
全くそんなつもりはなかったため、駆は心底驚いて、つい顔をあげて手を離す。現れた薔薇水の瞳は、優しく駆を映していた。
「はい」
恋のその返事の意味を駆が悟るには、三秒ほど時間を要した。
そんな彼らの会話は、しっかり始の耳にも届いていて、何を呑気なことをしているのだと、呆れて吐息が零れた。
「始さん」
躊躇いがちに声をかけられたので始が振り向くと、見覚えのある顔が緊張したように立っていた。
「ひなか」
「お久しぶりです」
始が一時期、とある事情で孤児院にいた頃、春と共にそこで暮らしていた幼い少女だ。年の差もあってか、春は彼女を実の妹のように可愛がっていたし、ひなも実の兄のように慕っていた。王宮に上がった春から、彼女も春と同じ時期に孤児院を出たとは聞いていた。まさか、巫女候補の信託を受けていたとは思わなかったが。
恐らく、今回の訪問で再会できることを楽しみにしていただろう少女は、手を前で合わせて、ぺこりと頭を下げた。
「春さんを、よろしくお願いします」
巫女候補は、自分の世界を離れることができない。そもそも彼女たちは戦闘訓練も受けていないから、仮について行っても足手纏いになるだろう。それでも残るということは、彼女にとって歯がゆいことだろう。
ふわり、と揺れる緑の髪。春のそれと色が似ているから、本当に兄妹なのではないかとからかったこともあった。それを聞いた春は少し眉尻を下げて、それも良いかもね、と小さく呟いていた。
始はそっと手を持ち上げ、目の前にある頭を撫でる。良く知るそれよりもふわふわと軽い髪は、少々の物足りなさを抱かせた。
「ああ。帰ってきたら、また御茶会をしよう」
始が手を離すとひなは勢いよく頭を持ち上げ、大きく頷いた。
「御武運を」
凛々しい雪の言葉に手を振り返し、始たちはそっと光の作る扉へ飛び込んだ。



(20150707)
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