とある夏の日
軍の訓練場の片隅に伸びる木の枝で、ヒビヤは葉の間に隠れるようにして座っていた。足元から聴こえる情けない声に、自然と呆れの吐息が零れる。
この時間帯は、いつもこうだ。幾ら新兵たちの訓練と言えど、組手だけで騒ぎすぎではなかろうか。声から察するに、騒いでいるのはいつもの少女が一人か。
ここから姿は見えぬが、そんな彼女を指導する教官は、さぞ苦労することだろう。
顔も名も知らぬその教官に同情しつつ、ヒビヤは幹に凭れて目を閉じた。
「散々だよー!」
「……」
 少女の声が耳についたが、ヒビヤの眠気を妨げるほどではない。



街の片隅に佇む、寂れた居酒屋。その地下に、反軍勢力の集会所はある。その日そこの扉を開いたのは、まだ十代半ばといった風の少女だった。
どうしてここに来たんだ、ここは君のような子どもが来るところではない。
立ち上がってそういったことを言おうといた男は、しかし隣に座っていた同士に制された。その同士は驚いたように少女を見ており、慌てて彼女に駆け寄ると、アヤノちゃん、と少女を呼んだ。
彼女は誰だと男が傍らにいた別の同士に訊ねると、同じように驚いていたらしい彼は、先の兵の誤射事件の被害者、その娘だと耳打ちした。彼女が、と男も驚き、もう一度、夏場だというのに赤いマフラーを首に巻いた少女を見やった。
アヤノという名のその少女は、顔見知りの男の言葉に伏せ気味だった視線をあげ、小さく笑みを溢した。
真っ黒い彼女の瞳に僅かに赤が滲んだ気がして、男は思わず身を引いた。
「……きゃ」
「え?」
何事か呟いた彼女に、男は耳を欹てる。アヤノの瞳は男を映しておらず、遠いいつかを懐かしむように僅かに細められていた。
「……家族を、迎えに行かなきゃ」
そして、歯車の加速度は増す。

「貴音も心配性だなぁ……」
ゴホ、と咳を溢し、遥は苦く笑った。
貴音の見舞いの最中、突然襲った目の痛みと咳。それがあまりにも長く続くものだから、貴音は飲み物を買いに席を外していた。
しかし目の痛みは既に引いている。彼女が言っていたような赤味も消えていることだろう。遥は手の甲で軽く瞼を摩った。
開いたスケッチブックのページには、以前貴音が描いた目の大きな『エネ』の絵がある。遥は筆箱に手を伸ばして、青色の色鉛筆を取り出した。このキャラクターのカラーリングは、この色が良く似合う。そう思って、髪を塗るために色鉛筆を滑らせた。
カラ、と耳に心地よい音を立てながら、扉が開く。来訪者を告げるそれに、遥はスケッチブックへ向けていた顔を上げた。そこに立っていた親しい人影に、思わず笑みを溢す。
「いらっしゃい……―――え」
顔にかかる影を見上げ、遥は丸い目を大きく開いた。
かしゃん、色鉛筆を入れていた筆箱が床に落ちて、涼やかな音が立つ。

「シンタロー!」
見舞いのために病院を訪れていたシンタローは、そんな大声に足を止めた。声のした方へ顔を向けると、必死の形相で駆け寄る貴音の姿があり、ぎょっと目を見開く。
彼女はシンタローの驚く様子に気づいていないようで、彼の襟元を掴むと強い力で引き寄せた。
「シンタロー!遥が……遥が、何処にもいないのよ!」
シンタローは息を飲む。
貴音は掴んでいたシンタローの襟元を離して、ぐしゃりと自分の頭を掻き毟った。
「眼が赤くなってから、遥、急に咳き込んで……!お茶買って戻ったら、姿がなくなっていたの!」
ヒステリックに叫んで、貴音はその場に座り込む。
シンタローが初めて遥の目の赤さに気づいた日から彼の体調は芳しくなかったようで、彼女なりにも何か予感を抱いていたのだろう。
シンタローは膝をついて、彼女の肩を強く掴んだ。
「お前は早く病室に戻れ!俺が捜すから!」
いいな!と顔を上げさせて念を押すと、涙の跡がついた顔で貴音は頷く。それを確認して、シンタローは駆けだした。
彼の後姿を見送った貴音は、暫くしてから、呆然とした様子で立ち上がった。
シンタローに怒鳴ったせいか、身体がフワフワとして放心しているような感覚だ。そのまま覚束ない足取りで、フラフラと病院内を歩き回る。いつもより心なしか、人気も少ないような気がした。
「……どこなのよ……どこにいるのよぉ……」
何か、貴音の知る世界が終わってしまうかのような、そんな予感。嫌な予感が、先ほどから背筋を撫でて止まない。
ぎゅ、と身体を抱きしめるように腕を組んで、貴音は唇を噛みしめた。
「遥ぁ……!」
貴音の背後に、影が出来る。その気配に気づいて貴音が振り返るより早く、その影は迫って。
―――ごめん、と。誰かの謝る声が、聞こえた気がした。

けたたましいコール音に舌打ちしつつシンタローが電話をとると、開口一番今何処にいるのだと怒鳴られた。病院の中庭で良かったと、痛む耳を押さえながら思う。
電話の相手は、軍の同僚だった。
「早く本部に戻れ!」
「俺、今日は非番……」
「そんなことは関係ない!」
いいから急げと、一方的に怒鳴り散らして電話は切られる。
一体何だと言うのだ。舌打ちして、シンタローは通信端末をポケットに突っ込んだ。
まだ遥は見つかっていないし、あの状態の貴音も気にかかる。しかし―――
「ああ、もう!」
頭を掻き毟り、シンタローは駆けだした。
軍本部に戻るために、である。

パソコンのブルーライトを受けて、眼鏡が怪しい光を宿す。咥えた煙草から立ち上る煙が、蛇のようにうねる。画面に流れる文字列をそのまま映していく瞳は、僅かに赤が滲んでいた。
「『カゲロウプロジェクト』……」
陽炎―――局所的に密度の異なる大気が混ざり合うことで光が屈折して起る、夏の風物詩。
それを冠したこの計画もまた、陽炎のように揺らめいて実体が掴み難い。軍部が作り出す、極秘(陽炎)の計画―――誰がつけたかは知らないが、名付け親は中々に詩人であるようだ。
「……さあ、」
灰皿で煙草をすり潰し、彼はニヤリと笑った。
「待っていろ……すぐ、迎えに行く」
エンターキーのクリック音が、高らかに鳴り渡る。

「ただいま戻りました!」
シンタローが軍の司令室に飛び込むと、中は普段以上に騒がしくなっていた。誰もが己に与えられた役目を全うするために駆け回っており、どうしたものかとシンタローは入口で足を止めた。
彼の存在に気づいた同僚の一人が、こちらを手伝えと呼ぶので、シンタローは慌ててそちらへ駆け寄る。
「一体、何が」
「軍部が襲撃された」
シンタローは息を飲んだ。
大総統が元帥のこの国で、それはクーデターにあたる重罪だ。
「相手は一般市民で構成されたテロ集団だ」
「暴動じゃないか」
「ああ。先日の発砲騒ぎが原因だろうよ」
まあ、それ以外に理由は見当たらない。恐らく、長年に渡る軍事国家への不満が、あの一件で爆発したというところか。
シンタローは彼と共に情報を集計しているチームの元へと向かった。
ホワイトボードには現状の様子が殴り書きされており、シンタローはそれにさっと目を通す。
相手は数に物を言わせているのか、そのため中々収集が付かないようだった。初めの襲撃場所は訓練場。その後の動向から推測するに、軍部関係者かその手の情報を得た者がいるらしい。
訓練場はこの時間、二等兵たちが使用している筈だ。そこに属する妹のことが気にかかるが、今はそちらにばかり構ってはいられない。
「リーダー格らしき人物は?」
「それがどうやら……」
近くにいた別の同僚に声をかけると、彼は顔を歪めて言葉を濁した。
続く彼の言葉にシンタローは目を見開き、制止する同僚たちの声を背中に受けながら、駆けだしていた。
「赤いマフラーの、少女らしいんだ」
そんなまさか、と何度も呟きながら。
こんな夏に赤いマフラーを巻いた少女なんて、シンタローは一人しか知らない。

その日のことを、ヒビヤは繰り返し思い出す。
真夏の炎天下、軍部で起きた騒動の鎮圧に、彼も奔走する一人だった。
急げ、早く援護を。そんな声ばかりが聞こえる。相手はまともな武器も持たない一般人の筈だ。そんな驚愕する声も聞こえる。人間を舐めるなと心の中で毒づいて、ヒビヤはその脇をひたすら駆け抜けた。
怒り、悲しみ、生存願望―――何でもいい。貪欲な感情が一つでもあれば、例え小さなナイフ一本でも人間は戦える、抗える。それは、ヒビヤが誰よりも知っていた。
「ヒヨリ―――!」
やっと見つけた少女は本部の裏手、いつもは訓練場として使用される山にいた。
ヒヨリは武器を持たず丸腰で、何処かをぼんやりと見つめるように立ち尽くしていた。
そこは、足場が悪く危険だからと金網で封鎖されている区域だった。ヒビヤは進行を阻む金網を拳で叩いて、入口を捜そうと視線を滑らせた。
爆発の音が反響して、何処に敵が潜んでいるのかは解らない。ヒヨリが立つ近くには崖がある。早く早くと急く心が、心臓の拍動も急かした。
ふと、金網を揺らす音のせいか、ヒビヤに気づいたらしいヒヨリがゆっくりと振り返った。ヒビヤは視線を彼女に戻し、丈夫な金網を握りしめる。
「ヒヨリ!」
「ヒビヤ……」
その時、彼女の瞳が僅かに揺らいだ。それはヒビヤの背後を見ていたようで、しかしヒビヤが振り向く前に彼女が口元を綻ばせたので、彼はそれを確認し得なかった。
「……バイバイ」
銃声が轟き、小さな少女の身体が崖下へと吸い込まれたのは、それからすぐのことだ。
「ヒヨリ―――!」
皮膚が切れるのも構わず金網を掴んで、あらん限りの声を上げた。目の奥がじわり、と熱くなって―――彼自身はその時気付かなかったが、目は赤く滲んでいた―――頬に涙が零れた。
夏になる度、ヒビヤはあの日のことを思い出す。
だから、夏は嫌いなのだ。

「うわ!」
頭上を掠めた銃弾に、モモは慌てて山と積まれた資材の影に身を潜めた。
彼女のすぐ傍では、テロリストたちと兵士たちが火花を散らし合っている。気が付いたときは既にこの状態で、手を出す暇すらない。
「散々だなぁ……」
はあ、と大きく溜息を吐いて、モモは膝ごとライフルを抱える。軍に入って初めての戦場が、歩き慣れた訓練場とは。
「ん?」
ふと、モモは足元に転がっていた焼け焦げた紙の切れ端を見つけ、拾い上げた。
銃器で打ち抜かれでもしたのか、穴と焦げ跡で殆ど原型を留めていない。どうやらクレヨンで絵でも描かれていたようだ。灰、黒、赤、緑、紫―――混ざり合って泥色になったそれが、モモの手についた。何とか目を凝らすと、薄ら文字が読める。
「……『メカク』……『シ団』……」
じわ、と彼女の瞳が赤く滲んだ。

「うあぁ―――!」
「セト!」
突然頭を抱え、セトはその場に蹲る。カノとキドは慌てて駆け寄り、彼の肩を抱き起した。セトの前に膝を折ったマリーは、彼の目の色を見て息を飲む。
「眼が……!」
赤い。能力が発動しているのだ。
カノは思わず舌打ちした。
先ほどから外が騒がしい。理由は知らないが何か騒動が起きているらしく、カノたち四人はこの部屋で待機が言いつけられていた。恐らくセトは、この外で起きているその何かのせいで、キャパシティオーバーを起しかけている。
「大丈夫……大丈夫だから」
口と同じ言葉を心でも呟いて、カノは彼を抱きしめた。外の雑音よりもカノの声の方が届くように、強く。
マリーもセトの手を握り、祈るようにぎゅっと目を閉じている。キドは下唇を噛みしめ、セトとカノを纏めて抱きしめた。そんな彼女に、カノはこっそり苦笑を漏らした。
痛み、恨み、怒り、悲しみ―――幾つもの負の感情が合唱して、セトの頭を打つ。それも、不意に包み込んだ温もりによって少しずつ、波が引いていくように消えていった。
安心して、セトは涙の溜った琥珀色の瞳をそっと閉じたのだった。

呻きや悲鳴が色濃く響く場所へ、勢いよく飛び出したシンタローは、そこに立つ人影に、息をするのも忘れて目を見開いた。震える指先を落ち着かせるように拳を握れど、それは治まらない。
「なにを……―――なにしてんだ、アヤノぉ!」
ぽつ、と赤い水滴の滴る刃は、彼女が殺戮を繰り返してここまで辿りついたことを示していた。
楯山文乃は地に濡れた刀を脇に垂らし、ゆっくりとシンタローの方へ視線を向ける。
「ごめんね……シンタロー……」
それから、彼女は微笑んだ。違う、そんな答が聞きたいのではない。だというのに、唇は震えて役に立たない。
「……『カゲロウプロジェクト』のこと、私知っているの」
シンタローは息を飲んだ。
驚く彼を見てアヤノは、にしし、と笑う。彼女がよく見せていた、悪戯っぽい笑みだ。
「あれは、皆の幸せを壊す計画……幸せの終わるセカイを作るプロジェクト……」
「アヤノ……?どういう意味だよ、それ……」
「止めるにはもう遅くて、こんな方法しか、思いつかなかった……」
私、シンタローみたいに頭良くないから。
アヤノは呟いて、マフラーにそっと触れた。
そんな顔で笑うくらいなら、話してくれれば良かったのに。今更言っても意味のない言葉が、シンタローの喉までせり上がる。
「……なんで、こうなっちゃったんだろう……私は、つぼみがいて、幸助がいて、修哉がいて……お父さんがいれば、それで良かったのに……」
例え、お母さんが死んでしまっていても―――にっこりと、しかし今にも泣きだしそうな顔で笑うアヤノをやるせない思いで見返し、シンタローは眉を顰めた。
「―――私の幸せはさ、結構お手軽なのにね」
声が震えて、滲む。擦れて赤くなった彼女の頬を、雫が滑ったように、シンタローには見えた。
震える唇を噛みしめ、シンタローはグッと拳を握った。
「だったら尚更、お前がこんなことする必要なんてない!俺や先生に任せて……!」
「駄目なの」
 シンタローの言葉を遮り、アヤノはニコリと笑う。驚いて目を瞠る彼に、アヤノはもう一度ゆっくり、駄目なのだと呟いた。
「アヤ、ノ……?」
「ごめん、シンタロー……―――そこ、退いて?」
す、とアヤノは、シンタローに向けて刀を構える。
己に真っ直ぐ向けられる刃先の鋭さに、シンタローはたじろいだ。
彼女の瞳は揺るがない。意外と頑固なこの少女がこの目をする時は、絶対に自分の意見を曲げないのだ。
「……アヤノ……!」
お前の赤はヒーローの色なのだろう、茜色のヒーローなのだろう、と。言葉にならない叫びが、腹の底をぐるぐると渦巻く。
「……独りぼっちでも構わない……私は―――だから」
それがどうして―――赤色(血色)のヒーローなんかになっているんだ。
「―――うあああああ!!」
それは、己を奮い立たせるためだったのか、それとも、どうしようもない嘆きが零れ落ちたものだったのか。解らないままシンタローは叫んで、刀を振り上げた―――彼が覚えているのは、そこまでだ。
次にシンタローが目を覚ましたのは、軍の医務室のベッドの上だった。
テロはめでたく鎮圧され、テロリスト集団も壊滅。テロリストたちの遺体は、全て纏めて共同墓地に放り込んだと聞いた。
シンタローに渡されたのは、刀と、赤いマフラー。彼女の持物の。
「……ぅくっ……」
下唇を噛みしめて声を押し殺し、シンタローは掴んだマフラーに顔を埋めた。
結局何も変えられず、伝えられず、終わってしまった―――また今日も、君が好きだったのに。

―――コポリ、と遠い何処かで、泡の弾ける音を聴いた。
記憶も感情もない、真っ白な世界。
呼吸は取り付けられた機械で受動的に行われ、栄養は身体中に巻き付いたチューブで直接体内に流し込まれている。それだけをぼんやりと理解しながら、黄緑色の液体に身を沈めていた。
三つの音が、頭の中で鳴り響いているような、そんな気がしたようにも感じながら。

―――目を覚ますと、そこは青い空間だった。
目の前に差し出す自分の手を見て、何故か唐突に理解する。
零と一で出来た世界。零と一で構成された、己の身体。そしてその意味と理由も―――己がすべきことも。全てプログラミングされているのだろうか、まるで本でも読むみたいに頭にそれらは湧き上がった。
水の中を泳ぐように、電子の世界を進む。やがてぽっかりと浮かぶ白い真四角を見つけ、足を止める。
そこに大きく映る顔を見て、思わず笑みが溢れた。
嬉しいのと、そしてほんの少しの落胆。二つが入り混じる笑顔を満面の営業スマイルで塗り替えて、大きく息を吸う。
「初めまして、ご主人!」

 その後シンタローに、謹慎処分を報せる薄っぺらい紙が届いた。
 誰が発端か、兵士たちの間で『メカクシ団』と呼ばれるようになった先のテロリスト集団。それを軍本部へ手招いたのはシンタローだと、滲んだインクの字が告げていた。
 軍の司令室から、血相変えて飛び出してしまったのだ。同僚たちから不審がられても、仕方がない。
 しかし、シンタローは僅かな違和感を抱いていた。ケンジロウから聞かされていた人体実験や、その他諸々のせいで募っていた、軍への不信感からかもしれない。
 少将とは言え、こんな少年兵を狙いすましたかのような辞令。疑わずにはいられない。
(……上等だ)
謹慎処分の解ける日。薄暗い自室で、シンタローはベッドに腰掛けて、じっと手の中の刀を見下ろしていた。
「……」
その刀が抜けないよう固く、赤いマフラーを巻き付ける。何重にも、しっかりと。
やがて縛り終えると、大きく呼吸をして、シンタローはマフラーで隠れた鍔に額をぶつけた。
「アヤノ……」
泣きながら戦っていた少女。茜色のヒーローに誓おう。
「……俺はもう、」
―――本当は自覚している。誓いなんてなくても、自分はこの先、刀を抜く覚悟を持てないだろうことは。臆病者だから彼女を逃げ道にする、ただそれだけ。
閉じていた目を開き、シンタローは黒い鞄にその刀をしまう。上着を羽織り、新しい携帯端末を胸ポケットにしまう。肩から鞄を下げて、準備は整った。
顔を上げたシンタローは、ドアノブへと手を伸ばした。
―――そして舞台は、現在へと戻る。
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -