#1で入らなかった保護者の会話



「ヤマトくんは、週末には帰ってきてくれるわ」
「は?」
「え、宇宙滞在中でも?」
「ヤマト、お前、それゲートの違法利用だぞ!」
「うるさい! 宇宙開発事業団(ウチ)の管理するゲートだ、許可はとってある!」
「それでも……グレーゾーンですよ」
ゲートは有用性もあるが、その反面、様々な犯罪に使われる危険性も秘めている。そのため、個人でゲートを開く距離は決められており、企業に関しても申請が必要とされる。因みに、大気圏外と地上を繋げるゲートは原則的に禁止されている。
ヤマトのそれは、立派な職権乱用である。しかし彼は宇宙ステーションのネットワーク管理をしてくれているから、ある程度見逃しても良い――と思ってしまう光子郎も、立派な職権乱用だ。
「今のは聞かなかったことにしてやる」
太一も苦い顔をしながら、光子郎と同じ結論を出した。公務的に職権乱用を指摘しなければならない賢と伊織は、聞こえていないふりをして背中を向けていた。
ヤマトは少々腑に落ちない顔をする。




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