火神×少年ブレイヴ



▽光り始める話

「つまらないな」って不貞腐れ
いじけちゃうのも仕方ないのです
孤独な毎日過ごしてた
少年の僕は彼と出会った

見様見真似でバスケして
彼と一緒に走ってた 彼も僕に笑いかけた
「負けず嫌いでいろよ」って言って

「『兄弟』になろう。このリングを証に」
「バスケがしたいよな」
そんな僕らに別れが待ってた

殴られた頬と一緒に 彼の叫びがヒットする
「手を抜かれても 嬉しくない」
「兄弟をやめよう」なんて

本気の声が真っ直ぐに 幼い僕に突き刺さる
言葉にならない声が溢れだして
もう泣きそう

不変を願った罰だって 千切られた鎖は
僕にそんな現実を 突きつけた

そして今日も街は色褪せる
つまらない試合(ゲーム)を繰り返す
天賦の才を持ってる
こんな僕は本気になれない

なんだったっていいんだけど
ここもどうせ同じだろうな
失望したまま入った 桜の舞う新設校へと

初めて知った 手の届かない天才
また燃えちゃうような
そんな僕を彼らが待ってた

言われたんだ
「君の光を 輝かせるための影となろう」
「先輩を信じなさい 諦めは悪いから」

皆の声は擦れきった 昨日の僕を変えていく
「敗北が怖い?」
「勝利を掴む才能(ちから)も足りない?」

「そんなことない」とパスした
キセキへ続く扉を
僕はいつの間にかもう 開いていた

消えそうな影は言った
「僕が何もしないうちに 眩しい世界が簡単に
崩れてくのを見ていた」

「大好き」なんて感情も
「仲間」なんて組分けだって
恥ずかしがらず、言葉にできたならば

芽生えた今日の感情を 何度でも繰り返して
皆が言う「それでも
大丈夫だよ、信じてるから」

『思いの声』の心臓を
まとめて包んでやれたなら

『仲間の想いを背負う僕』を
『エース』と呼べそう

響き始めたホイッスル 僕は今日もまた走る

目指していた場所はもう 目の前

KUROKO

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