紫原×コノハの世界事情



▽目に光を宿す話

意味も夢も理解も出来ずに
続けてしまったバスケは
ただ勝ち続けていくゲームらしい
【それは彼の変わらぬ決意】
鉄心は痛みを堪えて 「今勝ちたい」と呟いた

弱小校との試合結果は
開始時点で予想通り 圧倒的すぎて
その時点でもう諦めた方が良いでしょう?
小さな彼らは試合の前に
そんな在り得ない夢見てた

期待ハズレの試合の中で
小さな身体はまた飛び込んだ
静かに怒る彼を解らない僕は見ていた

鉄槌は走り出すのをやめて
全てもろとも破壊しようとする
結末は変わらない

意味も夢も期待も持たずに
ただただ響かない心
「あの力はどうやら大分ヤバいらしい」
【それは彼と彼との約束】
荒んでしまった心では もう言葉も届かない

響くバッシュの音 鳴り響くブザー
気紛れな世間に、はじき出されたような
絶望がもう聞こえ始めてるんでしょう
フラフラ揺れる そんな身体じゃ
このボールには届かないよ

予想ハズレの試合の中で
紫は諦めて立ち止まった
理不尽すぎる世界を 陽炎はただ見ていた

機械染みたバスケは止めて
チームの求める未来の風景へと 今だけは

嗤う気持ちはどこかに消えて
ゴールを何度も奪い合って
「絶対負けない」と競り合う そんな今なら

予測不能の試合の隙間
紫の光が扉をこじ開ける その時に その時に

例えバスケを嫌いだと言っても
あの目は

KUROKO

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テーマ「人外ファンタジー」
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