灰崎×エネの電脳紀行



▽技を盗む話

黄色加入の折に王に切り捨てられた
そんなので俺は「元キセキ」だって
汗臭い空気が溢れかえる中で

積み上げた経験値を リズムを変えて崩して
奪ったそれはもう 俺のもの

過去の想い出より今の 俺は随分派手で
復讐のために バスケを続けてた

ああでもない こうでもない そうでもない
無駄な足掻きを繰り返しても
約束した なんてこと 叶わない 諦めちゃえ

さぁ、虹の狭間漂う雲
無邪気なキセキたちの談笑
赤の望む儘のように
駆ける白く区切られた世界

キセキたちは開花してく 光の才能が呼ぶ先へ
息を止めて イキヲトメテ
全てが決まりきった現実なんて
今日はうんざり もう止まってしまおう

この世界の考えは180度逆転しちゃって
キセキには絶対に敵わないんだって
お望みならば力を貸してやろうか

「Q.好きなコトはなんだい?」
「A随分簡単なことだ、盗み奪い取るコトだ」
「ゴミクズだね」

それはそれで良いだろう
「何かおかしい」だなんて
発想が陳腐だよ?
もう諦めちゃえば良いのになぁ

それでもさ その中で漂った
この感度は どうやらもう馴染みかけて
噛みあわない 歯車は加速して 俺を弾く

あぁ、金の眼が輝きだす
勝利に盲目な王者が言う
「君は要らない、すぐ立ち去れ」
バッシュ燃やしだす炎の渦

崩壊への日々は続く 水色の影法師はいまだ
誰を待つの?何を待つの?
くるくるくるくると悩んでさ

電子板が無慈悲に優劣 平然と書き映した
奪い去った数多の技 黄色い光に抜かされたら
復讐劇の時は終わり
高くホイッスルが鳴き喚く 試合会場 冬空の下
諦めた筈の青が待っていた

もうバスケはうんざり 全部壊しちゃおう
なんていうか正直 ちょっと笑えるな

KUROKO

×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -