アンエンドロールメルヘン(カゲプロ)



・アウターサイエンスPVネタ
・捏造過多

「……ぁ」
ひくり、と大きく痙攣し、『蛇』の腕に爪を立てていたセトの手が、滑り落ちる。だらりと力を失くす様を見てニヤリと笑い、『蛇』は彼の身体を無造作に落とした。
「あ……」
白い頬を涙の跡で赤くし、綺麗な髪をくしゃくしゃに掻き毟っていたマリーが、一瞬その動きを止める。自分の目の前でぴくりとも動かないセトの姿を、真っ赤な瞳ではっきりと捉え、彼女は高く咆哮した。
「うああああ――――!!」
「あっはははは!さあ、どうする、女王!」
マリーの泣き声と、『蛇』の高笑いで飽和する空間。やがてそこは、マリーの力によって、巻き戻しを始める。
「ぅ……ま、りー……」
セトは重い身体を起し、うまく動かない腕を必死で伸ばした。先にいる少女は、しかしそれに気づいていないようだった。
この世界はもう一度繰り返す。これで何度目だ、自分たちは何度死んだ。彼女は何度、その声を枯らした。あの時、セトがあの扉を叩いたのは、こんなもののためじゃない。セトが勇気を持ったのは、能力を使わないと決めたのは。
「……――――――……」
瞼の重みに耐えられなくなって、セトはふっと意識を闇に落とした。

そう、世界は繰り返す。何度も何度も。女王が嘆き悲しむ、その度に。あの夏の日に戻る―――筈だった。
「……へ?」
次にセトが目覚めたのはメカクシ団アジトの自室ではなく、懐かしい楯山の家でもなく、ましてや無機質な孤児院のベッドでもない。森だ。マリーの家がある森ではない。見知らぬ森、まるで御伽噺にでてくるような。
「……ここは、どこだ?」
セトは、頭に乗った葉を落としながら小首を傾げた。

→繰り返したと思ったらマリーの絶望が酷過ぎてパラレルワールド出来ちゃいましたよ話。メカクシ団+αの面子が絵本の登場人物の恰好でわちゃわちゃするほのぼのモドキ。何故かいるヒヨリとアヤノと、予想外の世界が出来ちゃったから何とか元の世界に戻したい黒コノハも協力してくれる。セト愛されだけど、カノセト黒コノになりそう

<目を空んじた話>
BGM:迷子犬と雨のビート(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

カゲプロ

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