レッド孤児設定で



・アニポケ映画「結晶塔の帝王エンテイ」の上辺だけをパクったパロディ
・マサナナ、ルサ、エメ→クリ、シルイエ要素が強いかも
・図鑑所有者の両親を色々捏造
・マサラ組は19歳、ジョウト組は17歳、ホウエン組は15歳、シンオウ組は13歳くらいのイメージ


―――……!
雨の音がする。子どもが、何かを叫んでいる。小さな頭には大きすぎる帽子を、胸元でぎゅっと握りしめて。
(違う……)
雨の音じゃ、ない。これは。
(泣き声……だ)
ハッと息を吸い込むと、水中から引き上げられたような感覚で目が覚めた。目に映るのは見慣れた天井で、傍らからは眠るポケモンたちの寝息が聞こえる。零れる吐息は何故だか自然と荒くなり、寝間着代わりのシャツは汗で肌に張り付く。
体を起こし窓の外を見やれば、遠い水平線から橙の光が零れていた。夜明けは近い。それを意識したせいか、眠気は何処かへ行ってしまった。それでも薄暗い部屋。ポケモンを起こしてしまうからベッドランプも点けられなくて、何となく手をサイドテーブルに置いたポケベルに伸ばした。
小さな光は、辺りを照らすほどは強くない。一番最近に来たメールが、画面一杯に広がっていた。それは同郷の少女からのもので、新しい後輩の歓迎会を近々行うという内容だった。不参加という返事を最初から視野に入れない文章なのが、彼女らしい。思わず零れた笑みに反応したのか、ボールがカタリと音を立てた。
「……楽しみだ」
窓枠に頬杖をつき、外を見やる。
ずっと変わらないマサラの街は、今日も朝を迎える。

***

バトルフロンティアオープンから七日間に渡って起きたとある事件―――実際に大々的に報道されたのは最後の一日だけだったが―――から三年後。ジョウトでの新ロケット団騒動収束後に起こった、シンオウ―――引いては世界―――を揺るがすギンガ団事件を解決した新しい図鑑所有者たちと顔合わせをしようとブルー発案の企画が持ち上がった。場所は安定のトキワジムで、トキワ・ジョウト・ホウエン組の面々がその準備に追われた。そして今、レッドは収集のつかない惨状を前に苦い笑みを溢すしかなかった。右にはすっかり疲弊したグリーン、左には心底愉快そうに笑うブルーがいる。
「ブルー……何を仕込んだ」
「ちょっと、毒を入れたみたいな言い方しないでよ」
「毒だろ、未成年にとっては」
溜息を吐いて彼曰く毒である酒を、グリーンは喉に流しこんだ。ほほほほと笑ってブルーも何杯目かの酒を飲み干す。レッドは苦笑いのまま、ちびちびと酒を舐めた。因みに彼ら来年20歳組はブルー、グリーン、レッドの順にザルである。更に言うならグリーンはワクだし、ブルーに至ってはウワバミだ。
ブルーがジュースに混ぜたらしい酒を飲んだその他後輩組は、散々な様子であった。見渡して何となく察するに、水組は酒が強い方であるらしい。逆に弱いのは草組で、炎組は酒癖が悪いようだった。その証拠にシルバーやルビーは絡んでくるライバルたちを軽くあしらいながら、クリスとラルドの解放片手に酒を飲み続けている。シンオウ組はまだマシらしく、ぐったりするダイヤを支えながら、更に酒を飲もうとするプラチナを、呂律の回らない口調でパールが止めていた。因みにイエローは早々に部屋の隅で熟睡している。
「そろそろお開きにするか」
「えーまだ飲み足りない」
「自宅で勝手に飲んでろ」
解散が夜遅くなると見越して、遠方の後輩たちはマサラ組の家に泊めることにしていた。家の近いイエローを除く女子は問答無用でブルー宅。ゴールド、ルビー、ダイヤはレッド宅で残りのシルバー、ラルド、パールはグリーン宅に割り振られている。歩くこともままならない者は己のポケモンたちに運ばれ、やっとトキワジムを出払った頃には、月は真上に昇っていた。
「良い風ですね」
夜風を吸い込みながら、ルビーが呟く。そうだな、とレッドは小さく返した。月の光が強いから、真夜中でも歩くことに支障はない。レッドは大きく鼻から空気を吸い込み、思わず口についた歌を口ずさんだ。
「……しろいしろい、まっさらなせかい……やさしいせかい……」
「童謡ですかー?」
すぐ隣をるーに運ばれていたダイヤにはそれが届いたらしく、真っ赤な顔を伸ばしてきた。
「ああ。マサラの子どもなら、皆知ってる」
「へえ〜」
期待するように輝く瞳にこっそり苦笑し、レッドは続きを先ほどより大きな声で歌う。ゴールドもルビーも聞き入っていたようで、終わると拍手が聞こえた。照れ臭くなって頬をかくと、ダイヤがぐいっと顔を更に近づけた。
「凄いですー。レッドさん、ヒーローで、歌も上手なんですねー」
ヒーロー?とレッドが首を傾げると、バクたろうの背に寝そべっていたゴールドが、シロガネやまの特訓を盗み見たテレビ局のディレクターが、レッドの手持ちとニックネームを使った戦隊物の番組を作っていたのだと教えてくれた。それはどうやらジョウトだけでなくシンオウでも放送されたらしく、ダイヤはファンであるのだとか。因みにその特撮はシルバーも視聴しており、放送時は居座り続けられて参ったと、ゴールドは愚痴を溢した。
「シルバーさんが特撮を……意外だ」
「ああ見えて結構子どもっぽいからな」
「へー、俺も見てみたいな」
「DVD貸しますよ〜。大百科も持ってますから〜!」
すっごくかっこいいんです!と、ダイヤはキラキラした瞳をレッドに向ける。それに苦笑して、レッドは礼を言った。
「ありがとう」
「約束です〜」
ゆーびきーりげーんまーん……
マイペースなダイヤに思わず目を瞬かせるが、レッドは堪えきれない笑みを溢し、声を揃えて歌った。
「ゆーびきーった」
そう言えば、昔誰かともこうして約束をした気がする。その約束も相手も、それが果たされたかも、レッドは思い出せなかった。

***

「ほら毛布だ」
ソファや床に倒れこむ死屍累々に毛布を差出し、グリーンは酔い冷ましのドリンクを取りに台所へと向かった。義姉に似たのかケロリとしているシルバーが、手伝うと後をついて来たのでそれに甘えることにした。
「御家族は……」
「おじいちゃんは研究で出張。姉さんはジョウトだ」
ジョウト?とシルバーは小首を傾げたが、途端にグリーンの纏うオーラがドス黒くなったので慌てて口を閉ざした。そう言えばと思い出した義姉の言葉によれば、開発者マサキとグリーンの姉ナナミは良い関係であるのだとか。そろそろ入籍も考えているらしい―――成程、ジジコンでシスコンの彼には腹に据えかねる出来事なわけだ。
「御両親は?」
「父は研究員でな、年で遠出しにくいおじいちゃんの代わりに、あちこちを飛び回っている。母は旅行好きで、俺に物心がついてからはそれに着いて行っているんだ」
陽気な人たちだよ、と言ってグリーンは溜息を吐く。思わずブルーのように高笑いする女性の姿を想像したシルバーは、グリーンの溜息の理由が解ったような気がした。
「お前の方はどうなんだ」
結局、共に暮らすという選択肢は選ばなかった親子。シルバーはそっと目を伏せた。
ロケット団設立が、己の失踪に関わっていないと知って安心した。彼の良心に、実は触れることだったのではないのかと。己の存在は、闇しか生まないのではないかと、不安だった。だがしかし、彼は己の信念を通していただけだった。ならば、今度は自分がその闇を打ち壊そうと。かつて、ライバルがしてくれたように。
「……取敢えず、父さんとはまだ呼び慣れませんね」
あまりにも時を置き過ぎた。けど、ブルーを見ていればそれは些細なことだと思い知る。慣れるのは、そう遠くないことだろう。
「……俺も、義兄とは呼べないだろうな……」
ぽそりと呟かれた言葉に、シルバーは思わず笑ってしまった。
「俺の父ちゃんなんか、『ダディと呼べ!』なんて言ってくるんですよ!」
何に影響されたんだか、と憤慨するように呟きながらパールが割って入る。
「長い間家を留守にしてプー太郎やってたかと思えば、いつの間にかバトルゾーンに就職なんて……」
ぶつくさと呟き、パールは窓を全開にする。その窓枠に手をついて、彼は大きく息を吸った。
「なんでやねーん!」
空一杯に響き渡るツッコミ。
「……酔ってるのか」
「叫び上戸……」
取敢えず近所迷惑になるので、早々に窓から引きはがしてソファに座らせた。まだ何か云う彼にドリンクを押し付けた。クッションに顔を埋めながら先ほどの愚痴を聞いていたラルドなんかは、こいつルビーと気が合うんじゃ?と思うわけである。各云う彼の両親は事故で他界し、その記憶は薄い。云うなれば、ラティ兄妹が両親みたいなものである。
そう云えば、とラルドは思い至る。図鑑所有者で1人だけ、血縁者の存在を知らない人物がいたと。ラルドはシルバーからドリンクを受け取るために体を起し、グリーンを呼び止めた。パールを無理矢理毛布に包んでいた手をとめ、グリーンがこちらを見る。シルバーもパールもつられて視線を寄越した。
「レッドさんの家族って、どんな人たちなんですか?」
瞬間、グリーンは不機嫌そうだった顔を更に歪めた。

***

「レッドはね、ひとりなの」
ほぼ同時刻、同じ質問をプラチナから受け取ったブルーは、ゆっくりとそう言った。
「……ラルドくんと同じってことですか?」
「多分ね」
クリスの質問に曖昧に笑い、ブルーは開けたばかりの酒に口をつける。酔いの冷めてきた頭を揺らし、サファイアは首を傾げた。
「どげんことです?」
「誰も知らないのよ。レッドの両親の顔も、姿も、職業も」
レッド自身も、知らない。噛みしめるような言葉だった。
ブルーも幼い記憶の何処かで聞いたことがある噂話だった。マサラにレッドという名の子どもがひとりで住んでいる、と。どんな子だろうと気になったが、直後仮面の男に浚われてしまったから、それ以上を知るのは数年後に持越しされた。
いつだったか、両親と再会する前、自身の親を知らないことを前置きした上で訊ねたことがある。あれから、親は解ったかと。彼は眉を下げて、笑うだけだった。
「……ジラーチの短冊が鎧流にとられてなかったら、残りの一つでお願いできたのにね」
窓から見える満天の星屑に願う。どうか、彼に幸あれと。
(あとは、あなただけじゃない?―――レッド)
一滴、星が落ちた。

***

薄暗がりの部屋で、月星の明かりを頼りにレッドは机上のものを弄る。同じ部屋のあちこちからは、安眠しているのだろう、安らかな寝息が聞こえた。すぐ近くで眠るダイヤの涎を拭い、レッドは笑みを溢す。弟がいたら、丁度こんな感じなのだろうかと、他愛なく思う。
「……はいいろの……くもがおおい……」
それは童謡。夕陽照らす坂道を、大小、大きさの違う手が重なり、そんな歌が聞こえた。それを、とてつもなく羨んだのは懐かしい思い出だ。じっと見つめて動かない自分に、当時まだニョロモだったニョロは必死に尾を伸ばしてくれた。手がないから代わりに、とでも思っていたのだろう。笑って素直にそれを掴んだ。暫くして、指はいくつか足りなかったが、望んだ通り手と手を繋げるようになった。大きさから言って、弟の手を引く兄の気分ではあったが。
「……だいだいのたいよう……が……にじのはしを……つくる」
起さないようそっと口ずさんで、机の上にピースを並べる。唯一この家にあった玩具で、ずっと遊んでいた暇潰しの道具。木で出来た褪せたそれは、もうどんな絵柄だったかは解らない。ただ形のあう部分を嵌めていく。それだけ。
「みんながかえって……くる……すべてをうけ……いれて……」
―――なにものにも……そまらない……はじまりの……しろに……
かちり。最後のピースが埋まる。レッドはほう、と息を吐いて机に突っ伏した。寄せてくる眠気に抗わず瞼を閉じ、彼は数分で眠りについた。
出来上がったパズルが薄く発光したのは、それから更に数分後のことだ。

***

夜のマサラの空を、桃色の物体が滑空していく。それは薄く発光したシャボン玉のような膜を纏っている。ミュウと人間は呼ぶその生物は、とある一軒家が見える木の枝に降り立った。既に明かりは消え、活動する気配は見られない。それでも、僅かに何かの存在を感じる。それはミュウという特殊な個体故に抱く違和感だった。

***

翌日、グリーンはけたたましいノック音で起こされた。それはシルバーたちも同じらしく、何事かと寝ぼけ眼で辺りを見回している。グリーンは毛布をソファに落とすと、足早に玄関へ向かい扉を開いた。そこにあった予想通りの笑顔に、二日酔いしない筈なのに頭が痛くなる。
「お早う!」
晴れやかな笑顔のブルーの背後には、イエローも含めた女子組が二日酔いに痛む頭を押さえながら立っている。いや、プラチナだけはブルーと同じようにケロリとしていたか。
「……早いな」
「このままレッドの家に押しかけるわよ」
何故そんなことを、と問いかけたグリーンは、しかしブルーの笑みに口を噤んだ。恐らく昨夜交わした会話が、似たような形で女子組の間でもされていたのだろう。大きく息を吐き、少し待つよう言って、グリーンは後輩たちの眠る居間に戻った。
叩き起こされたシルバーたちは―――二日酔いが特に酷いパールでさえ―――話を聞くと急いで起き上がり身支度を済ませる。やがて彼らが簡単な朝食を済ませる頃には、後輩組の頭痛も大分和らいだようだった。未捕獲のポケモンを目前にした時ばりに眉間に寄せていた皺をとり、クリスはにっこりと微笑んだ。
「お早う、ラルドくん」
「お、お早うございます……」
思わずとぎまぎしたラルドだが、背後でニヤニヤ笑うサファイアの存在に気づき、うがーと奇声を一つ彼女に威嚇した。
「まあ、綺麗ですね」
全員が屋外に出たことを確認したグリーンが戸締りをしていると、プラチナがのんびりとした声を上げた。
「マサラであのような結晶のオブジェを見ることが出来るなんて」
思いませんでした、と純粋に褒めるプラチナの声に、カントー・ジョウト組は、はて、と小首を傾げた。マサラはシンオウほど北に位置してもいないし、カントーで雪が見ることが出来る場所と言えば、シロガネやまくらいだ。彼女は何を見たのだろう、とブルーと並んで視線を追ったグリーンは、思わず息を飲んだ。それはイエローやクリスたちも同じで、素直に感嘆しているのは、初めてマサラを訪れたパールとプラチナくらいだった。
「なんだ……あれ」
「え、よくあることじゃないんですか?」
「よくあったら堪んないわよ!」
パールの問いに口早に答え、ブルーはグリーンと共に駆けだした。慌ててシルバーたちも二人の後を追う。二人の記憶が正しければ、あの方向にあるものは、彼の家だったからだ。結晶が地面を覆うギリギリの処で立ち止まり、グリーンは流れる汗を拭った。一息遅れてブルーも追いつき、嘘……と小さな呟きを溢す。グリーンもその光景に絶句していた。
「レッド……!」
小さな一軒家を包むような、結晶の花。目を凝らして見える看板も、家の形も、二人には見慣れたものだった。看板には、家主であるレッドの名前が記されている。ようやっと追いついた後輩たちもそれに気づき息を飲んでいたが、それを気にしてやれるほどブルーに余裕はなかった。
「!ゴールド!」
「ルビー!」
クリスとサファイアの声に、ブルーは漸く我に返った。いつの間にか自分より前に立つ二人の視線の先を追えば、花弁の一つに眠るようにして閉じ込められているゴールドの姿を見つけた。少し離れたところにルビーの姿も確認出来る。昨晩ここに泊まった二人がこの状態だ―――パールとプラチナは駆け出し、残りの花弁を確認しようとする。彼らがしかし結晶の床に足を踏み入れようとした瞬間―――それを制するように飛んできた光線が、彼らの足元に刺々しい結晶を生み出した。
「きゃ!」
咄嗟にプラチナを庇うように下がらせたパールは、光線の飛んできた方向へ向けて睨みつける。グリーンたちも結晶の上部―――つまり家の屋根を見やる。そこにいたのは、見たことのないポケモン。
「……なんだ、あのポケモンは……」
モノクロの体を持つそのポケモンは口から白い冷気を出しており、この現象を作り出した張本人であることを窺わせた。無骨な四足を不安定そうに見える一番高い結晶に据え、ポケモンは高く咆哮する。それはビリビリと広範囲の空気を、木々を、葉を揺らした。悲鳴をあげて鳥ポケモンや虫ポケモンが飛び立つ音が聞こえた。
<―――去ね、人間よ―――>
その時、ポケモンの声が頭に響いた。恐らくエスパータイプによくみられるテレパシーだ。
<―――此処は我らの家。早々に立ち去れ―――>
「ここはレッドの家よ!」
しかし、足を踏み入れる彼らを拒むように、結晶は更に厚みを増す。
「きゃ!」
「くそ!」
ちゃものブレイズキックでルビー救出を試みていたサファイアも、溶ける素振りすら見えない結晶に愕然とする。やがて結晶は家の前に集まるグリーンたちを飲み込まんとするように広がり始めた。
「グリーン!」
「ああ!」
ブルーの声にシルバーも察し、彼はドンカラスを取り出すとその足に掴まり、イエローの手を引いて飛翔した。それを見ていたラルドもサマヨールを出してクリスの手を引く。ブルーはぷりりに飛び乗りサファイアを、リザードンに乗ったグリーンがパールとプラチナも共にのせ、その場を離脱した。
結晶はゆっくりとだが確実に範囲を広げ、まるでマサラを飲み込まんとしているように見える。一先ずトキワの森を隔てたジムに向かって、彼らは空を滑空した。

***

古代文字が、辺りを飛び回る。床も天井もオーロラ色の結晶で出来た部屋の中、彼は目を覚ました。
「ん……」
まだ眠たそうに眼を擦り、大きく伸びを一つ。彼の傍らでは、まだ夢の中に行ったきりな『弟』が布団の中で丸くなっている。それに笑みを溢し、彼は立ち上がった。頭上をくるくると回るアンノーンに挨拶をして簡単に身支度を整えた頃、一つしかない扉がノックもなしに開かれる。そこから現れた姿に彼は満面の笑みを浮かべ、一直線に駆け寄った。
「お早う、『父さん』!」



BGM:虹のうまれた日(森公子)/小さきもの(林明日香)
歌詞引用:sm11487345

ポケモン

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