dg主人公ズで学パロ
春も麗らかなある一日。小学校から大学までエスカレータ式の超マンモス校。その高等部特別棟廊下では、騒がしい音がたっていた。
「遅刻、だー!」
先に行ってしまった同級生の文句を呟きながら走るのは少年。制服の新しさから見て、この春一年生になったばかりのようだ。そんな彼の腕には、『生徒会庶務』と書かれた腕章が。首にかけたゴーグルが暴れないよう押さえながら走る彼の、茶にほんの少し紫が混じったような毛色の髪には、振り落とされまいと青い小動物が捕まっていた。
「拓也も啓人も酷いぜ」
「寝てただいしゅけが悪いよ」
「お前も起こせよな、チビモン」
どうやら、転た寝している間に置いてきぼりを食らったらしい少年は、前方にやっと目的地を見つけ、ラストスパートとばかり速度を速めた。かじりつくように扉を掴み開くと、思ったよりもけたたましい音が響く。
「…遅れ、ました!」
息も切れ切れに、しかしはっきりと言い切った彼は、本宮大輔、高等部一年。生徒会庶務である。
「遅い!」
会議しやすいように向かい合わせに並べられたスチル製の机に足を乗せ、ふんぞり返るように座っていた青年が、憮然と言った。大門大、高等部三年。生徒会運動部部長だ。
「そう言う大だって遅刻しただろ?」
その様子に苦笑したのは、工藤タイキ、高等部三年。備品で淹れたお茶を飲む彼は、生徒会書記と副会長を兼任している。
「大輔くん、涎の後ついてる」
「あんだけ爆睡してりゃな」
大輔を見て小さく笑ったのが文化部部長の松田啓人。その隣で机に頬杖をつき、からかうように片目を瞑ってみせたのが会計の神原拓也。共に高等部一年である。